ルクセンブルクでの歴史的なミッション2の打ち上げ
2025年1月15日、水曜日。ispace EUROPEがルクセンブルク大公国において、非常に意義深いミッション2「SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON」の打ち上げを成功させました。この打ち上げには、ルクセンブルクのリュック・フリーデン首相も立ち会い、現地で行われたライブ配信イベントを通じて、同国の従業員たちと共に打ち上げの瞬間を共有しました。
フリーデン首相とispace EUROPEの従業員
フリーデン首相は、ispaceの最新施設を訪れ、マイクロローバーのオペレーションシミュレーションや管制室を見学。その後、東京での打ち上げイベントの模様をリアルタイムで視聴しました。月面に着陸した後のRESILIENCEランダーからTENACIOUSローバーがどのように展開されるかについても、詳細に説明を受けました。このような機会を通じて、ルクセンブルクの宇宙開発の取り組みがいかに重要であるかを感じることができました。
ispace EUROPEの設立背景
ispace EUROPEは、2017年にルクセンブルク政府とSpaceResources.luイニシアチブに基づいて設立されました。その目的は、宇宙資源開発の商業化を支援することであり、ルクセンブルクを欧州における宇宙資源探査の中心地とすることです。LuxIMPULSEプログラムの一環として、ルクセンブルク宇宙機関と共同資金によるマイクロローバーの開発にも取り組んでいます。
TENACIOUSローバーとは
TENACIOUSローバーの特徴は、非常にコンパクトで軽量な設計です。サイズは、高さ26 cm、幅31.5 cm、長さ54 cm、重量約5 kg。ランダー内のペイロードベイに収納され、月面着陸後に展開されます。その頑丈な躯体は炭素繊維複合材料(CFRP)で作られ、ロケット打ち上げ時の振動にも耐える能力があります。また、前方にはHDカメラが搭載されており、月面の撮影を可能にしています。特別なレゴリス環境に適応するため、独自の車輪形状が採用されています。
期待される今後の展開
ispaceは、日本、アメリカ、欧州の3つの地域で活動を展開しており、2025年にはミッション2の打ち上げを成功させるとともに、2026年には米国主導のミッション3を計画しています。さらに2027年には、新たに開発中のシリーズ3ランダーを用いたミッション6を実施予定です。これらの取り組みにより、宇宙市場のニーズに応える体制を強化していきます。
最後に
フリーデン首相は、この歴史的な瞬間を通じて、ルクセンブルクの宇宙開発の未来に大きな希望を抱いていると言います。ispaceのCEO、ジュリアン・アレクサンドル・ラマミ氏も、「今日は特別な日であり、ルクセンブルクと日本の協力関係の顕著な証」とコメントし、両国の絆の強さを示しています。
ispaceは、持続可能な未来に向けて、月面資源開発を通じて人類の生活圏を宇宙へ広げるというビジョンを持って活動を進めています。今後の展開に目が離せません。