株式会社トンカチの新たなプロジェクト、にっぽんのリサ猫
株式会社トンカチは日本発の新しいプロジェクト、「にっぽんのリサ猫」を2025年2月から予約販売を開始しました。このシリーズは、スウェーデンの陶芸家リサ・ラーソンのデザインに基づく商品で、日本各地の陶磁器産地の特色を取り入れたユニークなアイテムです。
ここで特筆すべきは、益子焼の陶工房T工房とのコラボレーションです。これまで、T工房は平皿や湯呑み、森と動物をテーマにした皿などを手掛けており、リサ・ラーソンの日本作品には欠かせない存在です。しかし、「にっぽんのリサ猫」はこれまでとは異なる方法で制作される予定です。
各工房によるリレー制作の試み
本プロジェクトの最大の特徴は、ひとつの工房がリサの原型を元に型を作り、その型を次の工房に引き継いでいくというリレー形式だということです。これにより、日本全国の様々な工房がそれぞれの個性を引き出した猫を制作します。これは一見楽しそうな試みですが、工房にとって型は生命線のようなものであるため、実際には多くの挑戦が伴います。
具体的には、型を他の工房に転用するというリクエストが、工房にとってどれほどのプレッシャーになるかを理解しなければなりません。それでも、この新しいアプローチは日本の陶磁器の伝統を大切にしつつ、新しい表現方法を模索する意義深いプロジェクトです。
にっぽんのリサ猫 一番は益子焼
「にっぽんのリサ猫」シリーズの第一弾として、栃木県の益子焼が登場します。益子は現代陶芸の聖地とも呼ばれ、陶芸の世界で確固たる地位を築いている場所です。1924年に濱田庄司が陶窯を築いたことで、益子焼は日本国内外で広く認知されました。
益子焼は、古鉄粉や石材粉を使った釉薬と、犬毛筆を用いた色づけが特徴で、重厚感のある色調が魅力です。
今回登場する益子焼の猫のサイズは、W13.5×H8×D9.5cm、素材は陶器、重さは240gで、価格は税込みで¥6,600となっています。納期は2025年5月上旬以降、順次出荷される予定です。
リサ・ラーソンの魅力
リサ・ラーソンは、1931年にスウェーデンで生まれ、陶磁器メーカーで中心的なデザイナーとして活躍しました。彼女の作品はその独特な温かみと可愛らしさから、多くのファンに愛されています。2000年代からは日本の株式会社トンカチとのコラボレーションが進み、現在もその人気が続いています。
2022年にはスウェーデン政府からの勲章も受賞しており、彼女の作品は世界中の人々に影響を与えています。この新たなプロジェクト「にっぽんのリサ猫」は、彼女の作品と日本の陶芸をさらに深める試みとして、多くの期待が寄せられています。
新しいリサ・ラーソンの世界を味わえるこのプロジェクトは、日本の陶芸の魅力を再発見するきっかけとなることでしょう。今後の展開が楽しみです。