日本初のカギケノリの海洋養殖を目指す取り組み
株式会社アルヌールが、鹿児島県でのカギケノリの海洋養殖に向けた新たな研究を開始しました。これは、同社が鹿児島県の漁業協同組合や神戸大学と共同で行うプロジェクトで、持続可能な社会の実現へ向けた大きな一歩と言えます。
カギケノリとはどんな海藻か?
カギケノリは、微量添加するだけで牛のげっぷに含まれるメタンガスの発生を抑制する効果があるとして注目されています。この特性から、環境問題を解決する飼料としての可能性を秘めています。しかし、全国規模で牛の飼料に使用するには、自然のカギケノリだけでは豊富な供給が難しいのが現状です。
サステナブルな養殖への取り組み
本プロジェクトでは、海洋養殖への道筋を4つのステップに分けて設定しています。
1.
陸上人工採苗 - 特定の種株を用いてカギケノリの種を作製します。
2.
陸上育苗 - 陸上の水槽で強いカギケノリに成長させることを目指します。
3.
本育成 - 成長した種糸を海洋に出し、環境への適応を試験します。
4.
摘採 - 収穫時には痛んでしまわないよう工夫されます。
これらのステップを踏むことで、カギケノリの生産モデルを確立し、安定供給の実現を目指します。
さらなる技術開発と提携
アルヌールは、カギケノリの追加栽培に向けたバイオスティミュラントを活用した培養試験も行っています。これにより、成長スピードの向上や機能性成分の増加が期待されています。
さらに、微細藻類の培養技術を市場に提供し、これを利用して持続可能な畜産業の確立に寄与する計画が進行中です。
地域への還元
このプロジェクトには、地域経済にも好影響を与える要素が潜んでいます。安定したカギケノリ供給が実現することで、地域の漁業の活性化や雇用創出が期待されます。これにより、地域の海藻産業を支える基盤が強化されるでしょう。
今後の展望
これからもアルヌールは、海洋養殖と陸上養殖の双方を組み合わせ、カギケノリによる持続可能な社会の実現を目指して行動していきます。新たな参画を呼びかけ、共にその未来を築くための取り組みも進行中です。
今回のプロジェクトを通じて、日本の畜産と漁業の未来に大きな変革が訪れることに期待が高まります。