10年ぶりの歩行成功
愛知県丹羽郡大口町に住む伊藤健さん(41歳)は、かつて車椅子での生活を送っていました。しかし、2025年1月、彼は株式会社モリトーと株式会社YAMADAが共同開発したリハビリ機器を活用し、10年ぶりに自らの足で歩くことに成功しました。この奇跡のような挑戦は、彼にとって新たな希望の光となりました。
新生のきっかけ
伊藤さんは35歳のときに非ヘルペス性辺縁系側頭葉脳炎を発症し、その結果、重度の下肢麻痺を抱えることとなりました。退院後もリハビリに取り組んでいましたが、時間が経つにつれて通院や練習の機会が減り、歩行できない日々が続いていました。そんな時、かつての理学療法士との再会が彼の運命を変えることになります。この理学療法士がモリトーに在籍しており、伊藤さんのために新たなリハビリ計画を立ててくれました。このきっかけで、彼は再び歩行へのチャレンジを決意したのです。
リハビリの新技術
今回のリハビリにおいて使用されたのは、以下の二つの画期的な機器です。
- - 安全懸架装置「レール走行式免荷リフトSS-300」(株式会社モリトー)。
- - 歩行筋サポートギア「futto」(株式会社YAMADA)。
安全懸架装置
「レール走行式免荷リフトSS-300」は、伊藤さんが立位姿勢を保つ際に急な膝折れなどの転倒リスクを排除し、安全に支える役割を果たしました。この装置により、彼は安心して歩行練習を行うことができました。特に体重を免荷できる機能は、痛みのある関節への負担を軽減し、自然な歩行姿勢を促進します。
歩行筋サポートギア
「futto」は、筋肉の補助機能があり、使用者が少ない力でも歩行できるような工夫が施されています。背筋を伸ばし、正しい姿勢を保ちながら、健脚に必要な筋力を鍛えるサポートを行います。これにより、伊藤さんは以前よりも足が軽く感じるようになり、歩行がよりスムーズに行えるようになりました。
成功の瞬間
チャレンジの結果、伊藤さんは両松葉杖を使って自分の足で歩くことに成功しました。彼は次のように振り返ります。
「松葉杖で歩くことは怖かったですが、このシステムがあったからこそ棚ぼた的に挑戦しようと思えました。心が安心することで、歩行に集中できるようでした。」
このように安全装置とサポートギアの組み合わせが、彼の自信を取り戻させる要因となったのです。
今後の可能性
今回の成功は、リハビリテーション機器の特性を活用した新しい可能性を示しています。安全性が確保されることで心理的な安心感が生まれ、患者がより自主的にリハビリに取り組める環境が整いました。モリトーとYAMADAは今後も福祉機器の開発を進め、多くの人々に希望をもたらす技術を提供していくでしょう。
会社概要
株式会社モリトー
所在地:愛知県一宮市東島町3-36
URL:
https://www.moritoh.co.jp
は、新しいリハビリ技術の開発を通じて、身体的なハンディキャップを持つ人々の生活向上に貢献し続けています。