輝きを増す若手奏者の共演!堀内優里×山縣美季 デュオリサイタルツアー開幕
7月9日、大阪公演からスタートした、ヴァイオリニスト堀内優里とピアニスト山縣美季によるデュオリサイタルツアー。今まさに輝きを増す2人の若手奏者の初共演となるこのツアーは、フランスとベルギーで同時代に作曲された、ふたつのイ長調のソナタを中心にプログラムが組まれています。
1曲目は、フォーレのヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調 作品13。堀内は、過去にこの曲を演奏した経験があり、昔と今では曲に対するイメージが大きく変わったと語ります。情熱的で掴みどころのない気まぐれさを持ち合わせたこの曲を、2人は華麗かつ繊細な演奏で表現し、観客を魅了しました。
続く2曲目は、サン=サーンス/イザイによる「ワルツ形式の練習曲による奇想曲」。サン=サーンスの優雅なワルツのメロディーを、イザイが高度な技術を要する編曲を施した作品です。特に、イザイ特有のヴィルトゥオーソ的な技巧が堀内の卓越したテクニックによって際立ち、会場からは大きな拍手が沸き起こりました。
後半は、山縣のソロ演奏でショパンのノクターンから第7番と第8番が披露されました。山縣は、フランス・ノアンで開催された「ノアン フェスティバル ショパン」に参加するなど、ショパンの楽曲をレパートリーとしています。繊細で幻想的な音色に、観客は息をのむ美しさを感じたことでしょう。
そして、プログラムの最後は、フランクのヴァイオリン・ソナタ イ長調。数あるヴァイオリン・ソナタの中でも重要なレパートリーであり、本ツアーのメインの一つでもあります。壮大で感情豊かな音楽が会場全体を包み込み、若手2人の前途洋洋な未来が明るく照らされているのをはっきりと実感しました。
アンコールでは、バッハの「G線上のアリア」とクロールの「バンジョーとフィドル」の2曲が演奏されました。舞台奥の壁が開き、幻想的な夜景が現れる演出も印象的でした。うっとりとした心地と、2人のエネルギッシュな音楽が絡み合い、鳴り止まない拍手でツアー初日は幕を閉じました。
『堀内優里×山縣美季 デュオリサイタルツアー』は、今後、岐阜、長野、東京と各地を巡ります。1ヶ月のツアーを通して、初共演の2人の音楽がどのように深化していくのか、楽しみですね。
ぜひ、各会場へ足を運び、彼らの素晴らしい演奏を体感してください。