日本人特有の白髪遺伝子PLXNA1を発見!
ロート製薬株式会社(本社:大阪市)が進めた新たな研究が、白髪の根本的な改善方法の確立に向けて大きな一歩を踏み出しました。今回の研究では、日本人を対象にした大規模なゲノムワイド関連解析(GWAS)を行い、白髪に関連した遺伝子、Plexin-A1(PLXNA1)を世界で初めて発見しました。この成果は、2025年にフランス・カンヌで行われる国際化粧品技術者会連盟カンヌ大会で発表される予定です。
研究の背景と目的
白髪は加齢現象の中でも特に顕著で、社会的・心理的な影響も大きいことが知られています。従来の研究手法であるGWAS解析は主に欧米や中南米の集団を中心に行われており、アジア人に関する知見はほとんどありませんでした。日本でも高齢化が進む中で、白髪に関する関心は高まる一方ですが、現状の対策は染毛に頼っているのが実情です。根本的な改善方法の確立が求められていました。
研究成果のポイント
今回の研究では、日本人2,186人を対象に白髪に関するアンケート調査を行いました。その結果、PLXNA1遺伝子が白髪と強く関連していることが確認されました。これまで知られていたPLXNA1の神経系の発達に関わる特性に加えて、白髪形成における役割も新たに明らかになりました。
また、PLXNA1遺伝子が関与するSema-plexinシグナル経路が白髪形成メカニズムに影響を与える可能性も示唆されています。培養したメラノサイトにPLXNA1のリガンドであるSema-3A(Sema III)を添加した結果、メラノサイトの突起の伸長が抑制されることが確認されました。
今後の展望
本研究を通じて、日本人特有の遺伝的背景に基づいた白髪のメカニズムが解明されたことは、今後の製品開発において大きな意義を持ちます。従来の染毛に頼った対処療法から、「予防・改善する」ための製品へと市場のパラダイムシフトを促進することを目指します。具体的には、Sema-plexinシグナル経路を狙った白髪用製品の開発が期待されています。
新たな白髪改善製品が市場に登場すれば、白髪への悩みを抱える多くの人々にとって大きな救いとなるかもしれません。今後の研究と製品化に注目したいところです。