大阪・関西万博に設置されたプラスチックベンチの取り組み
2025年に開催される大阪・関西万博の会場で、革新的なサステナビリティの取り組みが実施されます。ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社は、化粧品容器由来の再生プラスチックを利用したベンチを設置し、その利活用に関する実証試験を行います。この試験では、化粧品容器を再利用することで、どのように日常生活に役立てられるかを検討します。
再生プラスチックベンチの設置
このベンチは万博会場内のトイレ施設周辺に設置され、その特徴的な外観が来場者の目を引きます。設置台数は2台で、デザインは「SKIN」と「EMULSION」の2種類が用意されています。それぞれ、化粧品の質感や肌の構造をイメージし、視覚だけでなく触覚に訴えかける美しい形状を持っています。使用されている素材には、スキンケア化粧品容器からのPET、ポリカーボネート、そして木材が含まれており、リサイクル活動の一環としても位置付けられています。
来場者による実証試験の実施
会期中、来場者はこのベンチを自由に利用でき、その使用状況から多くの貴重なデータを収集します。この実証試験の目的は、化粧品由来の再生プラスチックを日常品に転用した際の品質の変化を調査することです。特に屋外環境において、紫外線、熱、降雨などの影響をどのように受けるのかを分析することが求められています。こうした取り組みを通じて、ポーラ・オルビスグループは持続可能な社会の実現に向けた新たな知見を得ることを目指しています。
アートとサステナブルな未来
ポーラ・オルビスグループは、すでに1985年からリフィル容器や詰め替え用化粧品の開発を行い、化粧品容器の軽量化や非石油由来の代替素材の導入に積極的に取り組んできました。2023年には「Plastic Revives展」を開催し、多くのアーティストとのコラボレーションにより、新たな芸術的な表現の可能性を追求しました。このように、化粧品容器から生まれる新しい価値を見出す取り組みは、今後の展開にも期待がかかります。
デザインへのこだわり
ベンチのデザインには、ポーラ・オルビスグループの深い化粧品科学が反映されています。SKINデザインは、皮膚の表面に見られるキメの構造を模しており、これにより肌理の美しさを感じてもらえるように工夫されています。EMULSIONデザインでは、クリームのようなしっとり感とさらっと感を感じられるように、乳化技術が表現されています。これにより、触覚だけでなく視覚的にも楽しめる体験を提供できるようになっています。
さらなる取り組みの可能性
今回の取り組みを通じて、ポーラ・オルビスグループは再生プラスチックに関する知見を集め、今後の製品開発や研究に活かしていく意向です。持続可能な社会の実現に貢献するためのこの試みは、単なる実証試験に留まらず、化粧品業界全体の未来を変えていく可能性を秘めています。化粧品容器の再利用を通じ、サステナビリティの新たな可能性を一緒に探っていきましょう。