今回は、愛媛県今治市で毎年開催される祭り「おんまく」と、2023年本屋大賞を受賞した小説『汝、星のごとく』についてお話しします。今治市は、瀬戸内海に面した美しい街で、ここで行われる「おんまく」は地域の住民や観光客が一緒になって楽しむ大きなイベントです。「おんまく」は、八月の最初の週末に開催されるこの祭りでは、街中が祭り一色に染まり、特に花火大会が大きな見どころとなっています。
おんまくとは?
「おんまく」という言葉には、「めちゃくちゃ」「いっぱい」「おもいっきり」といった意味があり、今治地方の方言です。これは、地元の人々がこの祭りを通じて思いっきり楽しむことを願った名付けでもあります。今年は、今治市の合併20周年を記念して、踊りや郷土芸能、そして花火が中心の盛りだくさんなプログラムが用意されています。特に注目すべきは、花火大会のフィナーレで打ち上げられる「尺玉100連発」。これは圧巻で、毎年20万人の観客を魅了しています。
本屋大賞受賞の小説と花火
今年の「おんまく」は、作品『汝、星のごとく』によって、さらに特別な意義を持つことになりました。本作は、高校生の暁海と母の恋愛に振り回される少年櫂の約15年間を描いた物語で、彼らの愛と成長が深く織り込まれた感動のストーリーです。今治を舞台にしたこの小説は、もちろん「おんまく花火」も登場し、作品と現実が交わる瞬間を楽しむことができます。
著者の凪良ゆうさんは、今治で執筆する際に実際にこの地を訪れ、その美しい風景や地元の祭りに感動したと語っています。彼女にとって「おんまく」の花火は、登場人物にとって重要な意味を持つシーンの背景ともなっており、今治の魅力を存分に伝えてくれています。
読書を通じて受け取る今治の魅力
ただ、今年の夏に今治を訪れられない方でも、保られているこの特別な経験を本を通じて体感することが可能です。『汝、星のごとく』は、今治のリアルな風景描写とともに、多様な感情が綴られており、若い読者だけでなく全ての世代におすすめです。
さらに、本作の続編『星を編む』も来年発表される予定で、こちらも2024年の本屋大賞にノミネートされています。2年連続で受賞作品の続編がノミネートされるのは史上初のことです。このように、今治という土地は文学からも大きな影響を受けているのです。
まとめ
今年の「おんまく」は、特別な意味を持つ花火大会となり、参加者に圧倒的な感動と喜びをもたらすことでしょう。今治の夏をぜひ体感するために、直接足を運ぶか、または『汝、星のごとく』の世界に浸りながら、その美しさを感じてみてはいかがでしょうか?文学と祭りが結びつくこの機会を逃さず、あなた自身の今治の物語を紡いでみてください。今治市に訪れた際には、その美しい風景と文化に浸り、また文学に触れて、心の中での旅を楽しむことができるはずです。皆様もぜひ、今治の魅力を感じに来てください。