イギリスの歴史を知る新たな視点
イギリスで大きな反響を呼んだ書籍『STOLEN HISTORY』の邦訳版『盗まれた歴史 大英帝国は私たちの世界をどう作ったか』が、株式会社飛鳥新社から2月28日に発刊されました。この本は、歴史の教育における見落としや、不都合な真実を子どもたちに伝えることを目的としています。
著者は移民二世であるサトナム・サンゲラ氏。彼自身のルーツを探求する中で、私たちの日常に当たり前のように存在する物の多くが、大英帝国の影響下にあることを実感しました。シャンプーやカレー、紅茶、コカ・コーラなど、広く利用されている様々なアイテムが、歴史の中で他文化から「奪われた」ものであるという事実を、ユーモアを交えつつ解説しています。
この書籍は、特にイギリスの子どもたちに向けて書かれており、差別や歴史改ざんの問題をわかりやすく解説しています。それは、単に歴史を学ぶためだけでなく、この物語を通じて現代社会の問題に目を向けるための教訓も内包しています。トランプ主義やロシアのウクライナ侵攻、中東の複雑な情勢など、現在の世界を理解する手助けとなるでしょう。
教科書には載らない、帝国の歴史
大英帝国は人類史上最も広大な帝国であり、世界の約4分の1を支配していました。それにもかかわらず、その歴史があまり知られていないのはなぜなのでしょうか。サトナム・サンゲラ氏はその背景を探り、私たちが学んできた歴史教育の問題点を浮き彫りにします。
彼の視点から見ると、私たちの身近な存在である博物館の展示品の多くが「盗まれた」ものであることが明らかにされます。第1章では「大英帝国とはいったい何だったのか?」と問いかけ、第2章以降では多面的にこの問題を探求します。
目次の魅力
この本の構成も印象的です。第1章では帝国の概念を再考し、第3章では博物館の展示品の起源を探ります。更に、第4章では地方がいかにして帝国の影響を受けたかを掘り下げ、第6章では著者自身の経験を通じて個人と歴史の関係を考察します。最終章では、読者がどのように行動できるかについても示唆を与えています。
推薦の声
この本は多くの著名な研究者や教授からも支持されています。駒沢大学の教授君塚直隆氏は、本書を「“帝国とは何か”を再考させてくれる素晴らしい道案内」と推薦しています。教育現場でも議論のきっかけとなる一冊として、多くの読者に影響を及ぼすことでしょう。
書籍情報
タイトル: 『盗まれた歴史 大英帝国は私たちの世界をどう作ったか』
著者: サトナム・サンゲラ
推薦者: 君塚直隆
翻訳: 工藤博海
価格: 1760円(税込)
刊行日: 2025年2月27日
サトナム・サンゲラ氏は1976年生まれで、ウルヴァーハンプトンでパンジャブ系移民の家庭に育ちました。英語を学びながら育った彼は、ケンブリッジ大学を卒業し、数々の賞にも輝いています。彼の作品は歴史を再評価する新しい道を示しています。
この本を手に取ることで、私たち自身の歴史、そしてそれが現代社会にどのように影響を与えているのかを、改めて考えるきっかけとなるでしょう。