パナソニックHD、対話型セグメンテーション技術を発表しAIの新たな可能性を切り拓く

パナソニックHDの新技術で進化する画像認識

パナソニックホールディングス株式会社（以下、パナソニックHD）は、カリフォルニア大学バークレー校の研究者と共同で、革新的な対話型セグメンテーション技術SegLLMを開発しました。この技術は、言語と参照画像を組み合わせることで、未学習物体を含む多様な状況においても高い精度での認識を可能にしています。セグメンテーションとは、画像を細かいピクセル単位で複数の領域に分割するプロセスであり、特定の物体を検出し、その位置や形状を正確に捉えることができます。

SegLLMの特徴と利点

SegLLMの特筆すべき点は、対話形式で指示を行うことができる点です。従来の方法では、過去の会話内容が複雑化し、新たな指示を出す際に誤認識が生じやすくなるという課題がありました。しかし、SegLLMはプロンプトにテキストと参照画像の入力が可能なため、未学習の物体でも簡潔に指示でき、物体の階層関係や相互作用を理解できるようになりました。特に、多種多様な物体が存在する複雑なシーンでも、特定の物体を認識する能力に優れている点が、この技術の大きな特徴です。

期待される今後の展開

SegLLMは、パナソニックHDが進める自動アノテーションツール「FastLabel」にも導入予定です。この技術により、従来のテキスト指示では難しかった対象の認識も可能になり、AI開発におけるアノテーションコストの削減と高精度化に貢献できると見込まれています。特に、未学習物体や特定の人物に関連する物体の認識が容易になれば、AI技術の発展は加速するでしょう。

加えて、このSegLLMの特性をサイバーフィジカルシステム（CPS）に応用することで、工場や生産ラインにおいても最適化の促進が期待されています。多岐にわたる器具や工具が存在する環境であっても、現場ごとの学習コストが削減され、効率化が図られることが予想されます。これにより、パナソニックHDはAI技術を通じて、より効率的で革新的な製品とサービスを提供することを目指しています。