TuneCoreが世界規模でアーティスト還元額を更新
音楽のデジタル流通を手がけるのは、チューンコアジャパン株式会社が運営するTuneCoreです。この会社の親会社、TuneCore, Inc.が、先日発表したニュースにより、アーティストへの累計還元額が50億US$(約7,700億円)を超えたことが明らかになりました。この成果は、インディペンデントアーティストが自分の音楽を世に広め、収益化するために利用するプラットフォームとしての可能性を示しています。
TuneCoreは「音楽流通の民主化」を掲げ、世界中のアーティストを支援するために活動を展開しています。アメリカやヨーロッパ、日本を含む多くの国々において、インディペンデントアーティスト層が増加すると共に、彼らの音楽が広がっているのです。特に、最近では新進気鋭のアーティストから現在の音楽シーンをリードするスターまで、多様な才能がTuneCoreを通じてデビューしています。
累計50億ドルの突破は、わずか17ヶ月前に40億ドルを超えた後の生まれた快挙でもあり、これはTuneCoreの成長を急激に示すものです。また、アーティスト同士の成功が加速していることも象徴しています。この成長を支える背景には、Believe社が築く強力なデジタルサービスプロバイダーやストリーミングプラットフォームとの関係があります。これにより、多くのアーティストがより多くのファンに支持される環境が整っています。
さらに、「TuneCore Accelerator」というアーティスト開発プログラムが重要な役割を果たしており、このプログラムはアーティストが自らの音楽を広めるためのプロモーションやマーケティングの機会を提供しています。過去1年間で、参加したアーティストは210億回以上のストリーミング再生を記録し、25億回の新しいファンに発見される結果を残しました。こうした取り組みは、TuneCoreのアーティスト第一の姿勢を実証しており、業界の進化に寄与しています。
特筆すべきは、カリフォルニア出身のラッパーにして、TuneCoreの象徴的存在であるMike Shermです。彼は2010年代初頭に音楽活動を開始し、2015年にTuneCoreに参加しました。彼の音楽キャリアは急成長を遂げ、「Cookies」や「A-Hole」などの楽曲が数億回のストリーミング再生を達成するなど、持ち歌の人気が高まりました。このような成功事例は、TuneCoreがアーティストにどのように価値を提供しているかの証と言えるでしょう。
日本においても、TuneCore Japanは2024年に711億円の還元額に達する見込みで、その10%が海外に進出するアーティストです。幅広いジャンルの音楽だけでなく、アニメやゲーム関連の楽曲を通じて、国内外で注目を集めるアーティストも増えています。
TuneCoreのCEOであるAndreea Gleeson氏は、アーティストの成功が「創造の自由」と「経済的成功」の両立を示しているとコメントしています。TuneCoreは、場合によっては初めてのファンを獲得しようとするアーティストから、既に名を馳せたアーティストまで、創造的自由と経済的自立への明確な道を提供しています。
日本のCEOである野田威一郎氏もまた、「インディペンデントアーティストたちが成功するための平等な機会を作ることが、我々の使命である」と力強く語ります。彼の下で多くのアーティストが自身のキャリアを築いており、これからもTuneCore Japanはアーティストと共に歩み続けることでしょう。
今後もTuneCoreがどのように音楽市場を変えていくのか、注視が必要です。在宅での音楽消費が増えている現在、TuneCoreの役割は今からますます重要になってきます。