医薬品偽造防止のための最新NFC IoTチップが特許登録
医薬品の偽造を防ぐ新技術の誕生
WISeKey International Holding Ltd(以下、ワイズキー)は、医薬品業界の深刻な問題、偽薬の流通を防ぐために開発した新しい偽造防止NFC(近接無線通信)IoTチップが、米国特許として認可されたことを発表しました。これは、製薬企業の損害を減らし、消費者の命を守るための重要な一歩です。
偽薬がもたらす危険
世界保健機関(WHO)の推計によると、全世界で流通している医薬品の約3分の1が非正規品です。この状況は、特にオンラインショッピングの普及により悪化しています。非正規医薬品は、利用者に誤った信頼感を与えることが多く、違法な通販サイトや薬局が横行し、その結果として消費者に深刻な影響を及ぼしています。
このような背景の中、ワイズキーは新たにNFC IoTチップを開発しました。この技術は、信頼性の高い方法で医薬品の製造や流通を管理・追跡し、偽造品と正規品を見分けることが可能です。
NFC IoTチップの仕組み
NFC IoTチップは、スマートボトルなどの医薬品パッケージに内蔵され、NFCリーダーで簡単にスキャンできる仕組みです。パッケージに取り付けられたニックチップがスキャンされると、その詳細がリーダーに伝わります。これにより、医薬品の真偽を即座に確認でき、開封されるとチップは破壊されるため再利用ができません。この機能により、偽造品による入れ替えのリスクが大幅に減少します。
さらに、NFC IoTチップはスマートフォンやウェアラブルデバイスと連携し、正規品と偽造品の認証を行うことができます。また、最新の人工知能技術を駆使した警告機能もあり、患者に対して重要な情報を提供します。
市場の動向とその影響
市場調査会社Transparency Market Researchによると、医薬品スマートボトル市場は急成長しており、今後数年間で年率14.3%の成長が見込まれています。これは、医薬品業界に対するワイズキーのNFC IoTチップの影響が大きいことを示しています。
ワイズキーのCEO、カルロス・モレイラ氏は、「我々の技術は、様々な業界で活用されてきており、次の恩恵を受けるのは医薬品業界である」と述べています。企業は、安全で適切な医薬品配送を実現することで、患者の治療状況の改善に寄与することができるのです。
薬の正しい服用を促進
ワイズキーの技術は、非正規の流通を把握や、リコール情報を患者に伝える機能を持っています。また、患者側も副作用をリアルタイムで報告できるため、医薬品の安全性が向上します。手渡されない処方薬が20%、慢性疾患薬の50%が服用されていない状況は、医療費の無駄や命の危険に直結しています。このような課題に対処するため、このNFC IoTチップが重要な役割を果たすでしょう。
未来に向けた展望
ワイズキーは200以上の特許を有し、特にIoT関連の46を超える特許を持つことで、将来的にIoT業界でのリーダーシップを目指しています。特許の利用により、偽造防止技術は進化し続け、新たなビジネスチャンスを創出することでしょう。
今後、膨大な数のIoTデバイスがインターネットに接続されることが予測されており、これにはワイズキーのNFC IoTチップ技術が大きく貢献することが期待されています。これにより、医薬品の安全性が確保されるだけでなく、消費者と企業の信頼関係が強化されるのです。
会社情報
- 会社名
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WISeKey IoT Japan 株式会社
- 住所
- 東京都千代田区神田須田町2-25リージャスビジネスセンター
- 電話番号
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03-6859-7310