4社が協力した新たな輸出入マッチングスキーム
株式会社ファイントゥデイ、ケンビューの日本法人、丸紅ロジスティクス株式会社、そして日本パレットレンタル株式会社の4社は、国内用レンタルパレットを活用した新しい輸出入マッチングの取り組みを発表しました。このスキームは、主に日本と中国との間で製品の物流を効率化することを目的としています。
新しい物流の仕組み
この新しい仕組みでは、ファイントゥデイが中国へ輸出する際に、国内で使用するレンタルパレットをそのまま利用します。これにより、従来必要だった海外用使い捨てパレットへの積み替えが不要となり、物流プロセスの時間とコストを削減します。輸出後に発生する空パレットは、中国に新設されたJPRのデポに保管され、ケンビューが日本に製品を輸入する際に必要に応じて供給されます。こうして、両社の間でパレットが循環利用される仕組みが構築されました。
2024年問題への対応
この取り組みは、特殊な環境要因として注目される2024年問題への対応とも深く関わっています。この問題は、トラックドライバーの人手不足など物流業界全体に影響を及ぼす課題です。本スキームにより、年間約60,000枚のパレットで発生する積み替え作業が削減され、最大5,000時間のトラックドライバーの荷待ち時間を短縮する効果が期待されています。その結果、無駄な時間を減らし、業界全体の効率性向上に寄与することが目指されています。
環境への配慮
環境問題も重要なテーマです。本プロジェクトにより、ファイントゥデイが使用していた使い捨てパレットの廃棄が不要となり、ケンビューにおける空パレットの事前輸送の必要もなくなります。これにより、CO2排出量も削減され、持続可能な社会の実現に向けた貢献が期待されています。物流の環境負荷低減は、政府の総合物流施策でも推進されており、業界全体の取り組みが重要視されています。
今後の展望
4社は今後、中国以外の国々へもこのパレットラウンドユーススキームを拡大し、より多くの企業の参画を呼びかける方針です。商材や物量、輸送エリアに親和性の高い企業が集まり、国際物流の最適化を実現するための連携を進めていく見込みです。
各社の声
ファイントゥデイ
ファイントゥデイの代表は、「環境負荷の低減と効率的な物流の両立を実現する本スキームは、企業価値の向上にも寄与する重要な取り組みです」とコメントしています。
ケンビュー
ケンビューは、「気候変動対策として、これまで以上に環境に配慮した行動を取ることが重要です。本スキームにより、我々の使命である地球の健康を守る一助となることを嬉しく思います」と述べています。
丸紅ロジスティクス
物流業界の変化に対応するため、活発な連携が必要です。丸紅ロジスティクスは、「積極的に共同化を進め、持続可能なサプライチェーンを提供していく」と強調しています。
日本パレットレンタル
「国際間でのレンタルパレットの循環利用は、環境負荷の軽減にも大きく寄与します。今後も最適化を目指して取り組みます」と話しています。
この4社の取り組みにより、国際物流が一層効率的かつ環境に優しく進化することが期待されます。