Green Carbon株式会社がハイチでの活動開始
Green Carbon株式会社は、持続可能な農業を通じて環境保護を促進するため、ハイチの非営利団体ASHAS(Association Haitienne de Solidarité)と新たに覚書(MOU)を締結しました。これにより、アグロフォレストリー技術を用いてハイチでカーボンクレジットの創出を目指す取り組みが本格化します。
このプロジェクトは、主に西インド諸島に位置するハイチ共和国で実施され、地域の自然環境の改善や経済的な自立支援が狙いです。Green Carbonは、20年間で約500万トンのカーボンクレジットを創出することで、ハイチの生態系再生に貢献しようとしています。
プロジェクトの背景
ハイチは劣悪な自然条件や気候変動に脆弱で農業被害が頻発しています。国土の約70%が丘陵地で、多様な農作物が生産可能な一方で、自然災害や気候変動の影響により、農業は厳しい状況に置かれています。就業人口の50%以上を占める基幹産業である農業が、小規模農家主体のため生産性が低下しているのが現状です。これらの課題を解決するため、Green CarbonはASHASとの連携を図ることにしました。
ASHASは持続可能な農業や環境保全活動を通じて、地域コミュニティの自立を支援する非営利団体です。既に600ヘクタール以上の農地でアグロフォレストリーを実践しており、地域の脱炭素化にも寄与しています。
カーボンクレジット創出の具体的な内容
本プロジェクトは、2016年にハリケーンによる被害を受けたハイチ中部のアルティボニット県で展開されます。アボカド、マンゴー、ゴムの木、モンビンなどの有用樹種を利用し、最大1万ヘクタールの農地で取り組みを行います。この取り組みによって、次のような効果が期待されます:
- - 被災地域の生態系回復と生物多様性の向上
- - 農作物の多様化による農家の収入安定化
- - カーボンクレジット収入による地域経済の活性化
- - 持続可能な農業モデルの確立
今後、Green Carbonは無駄の少ない農業の実践に取り組み、地域の自立を目指します。ASHASは、プロジェクトの実施地やステークホルダーの管理を行い、Green Carbonが提供するノウハウに基づいてプロジェクトを推進します。
環境再生と地域開発の両立を目指す
この取り組みは、環境の再生と地域開発を同時に進めるモデルとしての展開を計画しています。アグロフォレストリーを用いた農業による土壌保全と気候変動への耐性強化に加え、バイオマス資源の有効活用によるバイオ炭プロジェクトを通じ、持続可能な農業の確立を図ります。このような取り組みを通じて、ハイチ全体の環境保護と経済的な発展の両立を目指しています。
中南米地域への発展
Green Carbonは、このプロジェクトを基に、気候変動が進行中の中南米全体への展開を視野に入れています。中南米地域は、世界の森林面積の約22%、マングローブ面積の約26%を占めており、高いカーボンクレジット創出ポテンシャルを持っています。
これらの計画を通じて、Green Carbonは持続可能な未来の実現に向けて邁進します。自然由来のカーボンクレジット創出を行うことで、地域コミュニティの自立や経済的な安定に貢献しつつ、環境保護にもつなげていくことが期待されます。