新型無菌アイソレータ「Sterigion(R)」の革新
概要
2025年7月9日(水)に株式会社ダルトンが新たに発売する無菌アイソレータ「Sterigion(R)」は、医薬品製造や再生医療の現場において、高精度の無菌環境を効率的かつ確実に実現するために開発されました。ダルトンはグループ会社であり、医療機器やクリーン環境の構築で高い評価を受けています。この新型アイソレータは、独自の除染技術により小型化と高性能化を実現し、様々な現場の課題を解決することを目指しています。
Sterigion(R)の特徴
「Sterigion(R)」というネーミングは、除染を意味する「Sterilization」と領域を表す「Region」を掛け合わせた造語です。この新型機器は、主に以下の3つの特長を有しています。
1. 除染対象域の明確化とコンパクト設計
従来の無菌アイソレータは、除染対象域と背面のレタンチャンバーが直接接続されているため、エア流路全てが除染対象となっていました。しかし「Sterigion(R)」は、HEPAフィルタを使用して除染対象域とレタンチャンバーを物理的に隔離しました。この工夫により、万が一の逆流時のコンタミネーションリスクを回避できます。また、独自のファン・フィルタシステムを搭載し、装置の全体的なコンパクト化を実現しています。
2.結露レスな除染システム
「Sterigion(R)」は、結露や過度な凝縮を防ぐための先進的な除染システムを誇っています。従来の問題であった結露による精密機器の故障を低減するため、過酸化水素の粒子径を均一化し、庫内環境を最適に保つ工夫が施されています。
この装置は、熱源なしで除染流体を生成することで、迅速かつ効率的な除染を行います。これにより、除染時間の短縮が実現し、過酸化水素の消費量も削減。また、庫内の細胞関連資材への負担も軽減され、効率的な作業環境が整います。
3. 高い柔軟性と拡張性
「Sterigion(R)」は、サイドユニット(パスボックスや除染ユニット)を装置の左右どちらにも取り付け可能で、現場のニーズに応じた柔軟な対応が求められます。また、用途や空間に応じて別途サイドユニットの追加が可能なため、メインユニットの買い替えが不要になり、コスト面でも大きなメリットがあります。
発売と展示情報
「Sterigion(R)」は2025年7月9日から全国で販売される予定で、価格はオープン価格となります。また、同年7月9日から11日に東京ビッグサイトで開催される「インターフェックスジャパン2025」にて実機が展示される予定です。業界の専門家や関係者は、ぜひその目で実物を確認していただければと思います。
ダルトンのクリーン機器事業
ダルトンは、医薬品や医療機器に関わる多様なニーズに応えるため、クリーン環境の構築を専門とする企業です。80年以上の歴史を持つ同社は、医療機関や研究機関向けに独自の設計による安全な作業環境を提供し続けています。様々な業界におけるビジネスの発展を支えるダルトンの活動は、今後も注目されることでしょう。