アバターとロボットによる新しい飲食店の形、実証実験がスタート

アバターとロボットによる飲食体験の未来

2024年11月1日、横浜にある「ミライザカ JR横浜西口店」で、外食業界初のアバターと配膳ロボットを利用した完全リモート接客の実証実験が始まります。これは、株式会社DFA Robotics、ワタミ株式会社、アバターダイニングラボ有限責任事業組合の共同プロジェクトです。この試みは、飲食店の接客スタイルを大きく変える可能性を秘めています。

実証実験の概要

この実験では、アバターと配膳ロボットが連携し、リモートでの接客を実現。アバターは店内での動きが可能で、お客さまに料理の説明やおすすめを行い、注文や料理の配膳、下膳までを担います。この新しいシステムにより、効率的かつきめ細かいサービスが提供されることを目指します。

実験は2024年11月1日から29日までで、毎週水曜日はアバターの接客はお休みですが、店舗は通常営業を続けます。この取り組みは、パーソナライズされた接客と、スタッフの負担を軽減することを目的としています。

人手不足とテクノロジーの融合

日本の飲食業界は、近年人手不足が深刻化しています。ワタミではこの問題に対処するため、テクノロジーの導入を進めています。実際に、2024年の夏に行った実証実験では、アバターによる接客が好評で、「目の前に店員がいるような感覚」「会話が楽しかった」といった声が寄せられました。

この実験から得たデータによると、アバター1人で約20テーブルを担当することが可能で、客単価の向上にも貢献しています。この成功が、今後の実証実験の基盤となるでしょう。

新たな働き方の変革

この実証実験の狙いのひとつは、新たな働き方の創出です。アバターによる接客は、時間と場所に縛られない働き方を助け、多様な人材が活躍する場を提供します。高齢者や子育て中の方、日本国内外からの人材を採用するための大きな一歩となることが期待されています。

アバターとロボットの役割

DFA Roboticsの配膳ロボット「KettyBot」は、55cmの狭い通路でもスムーズに動けるコンパクトなデザインが特徴です。サイネージ機能により、おすすめメニューや求人情報なども表示可能。リモートのスタッフがこのロボットを操作し、効率的なサービスを提供します。

今後の展望

飲食業界の新たな解決策として、アバターによるリモート接客は、社会全体の活性化にも寄与すると考えられます。さらには、多言語対応や専門知識を持った接客の本格展開も計画しており、顧客満足度の向上に向けた取り組みが進められます。

また、このモデルは飲食業界にとどまらず、小売や観光、自治体など多様な分野に応用できる可能性があるため、今後の発展に注目です。ロボット技術の発展と共に、より多くの業種でのDX（デジタルトランスフォーメーション）が期待されます。