新たなDE&Iの視点
2026-07-24 09:28:23

京都大学が提唱する新しいDE&Iのビジョン「必要条件主義」

京都大学が提唱する新しいDE&Iのビジョン「必要条件主義」



2026年6月19日(金)、京都大学時計台記念館にて「京都大学コミュニケーションデザインとDE&Iコンソーシアム シンポジウム2026」が盛況のうちに開催されました。このイベントには、企業や団体のメンバー、学者、学生など多くの参加者が集まり、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の実践と課題についての議論が展開されました。

今回のシンポジウムでは、「必要条件主義」というテーマが掲げられ、基本的人権が尊重される社会を実現するために必要不可欠な要素について考え直すことが目的とされました。

基調トークセッション



開会挨拶を行ったのは、コンソーシアムの共同代表である蓮行先生(京都大学経営管理大学院特定准教授)です。彼は「誰ひとり取り残さない」といった理念を実現するための決意を述べ、コミュニケーションデザインを通じて集合知を生み出す「場」の重要性を強調しました。

次に、基調トークセッションでは四名の専門家、深井龍之介氏(株式会社COTEN CEO)、二瓶美里教授(東京大学)、治部れんげ准教授(東京科学大学)、村瀬健准教授(京都大学)がそれぞれの立場からDE&Iに関する意見を共有しました。

二瓶先生は、「多様性包摂共創センター」における取り組みを紹介し、自立は他者に依存して成り立つものであり、障害とは社会が作り出すものであるという観点から制度的な変革の必要性について話しました。

治部先生は、自身の就職活動で経験した女性差別を元に、意思決定層における女性の不在の原因、および男性の家庭やケア労働に対する参加の重要性を指摘しました。

村瀬先生は、過去の地上波ドラマ制作経験から、メディアが果たす役割と社会規範の変化について触れ、「考えたこともない人が見るメディア」がもたらす影響について語りました。

深井氏は、日英文献を使った網羅的調査を基に、日本のジェンダーギャップは個人の問題ではなく社会構造の結果であり、家庭やメディアがその変化に果たす役割についても解説しました。

このセッションを通じて、参加者は「ジェンダーギャップ解消は企業の課題か社会の課題か」「雇用流動性の低さが変化を阻む要因」など、多面的な視点からの議論を交わしました。「必要条件主義」という考えがセッション全体に共通して流れるテーマとなりました。

ポスターセッションと対話の場



シンポジウムの後半では、会員団体と一般参加者によるポスター発表が行われました。自由な対話の場が設けられ、発表者が参加者に「改善点は何か?」と問いかけるシーンも見られました。

続くポスターミーティングでは、基調トークの登壇者たちがゲストとして参加し、企業のDE&I取り組みに関する活発な対話が繰り広げられました。「従業員の自律とケア」「トップコミットメントの実効性」「DE&Iを投資として可視化することの難しさ」といったテーマが掘り下げられ、参加者はそれぞれの意見を交わしました。

深井氏は、DE&Iの成果を数値で測定することの問題点と、定性的な評価方法の有効性を指摘しました。また、治部先生は、欧米企業が人権への取り組みで先行している理由について、過去の痛みによる学びがあると述べ、国内企業も早晩同様の課題に直面することになると警鐘を鳴らしました。

閉会の挨拶では蓮行先生が、本日の対話を始まりとし、各組織や個人が「何をするべきか」を継続的に考える重要性に触れました。さらに、「昨年までDE&Iに無関心だった方々も、『気づかないうちに多様性という剣を手にしたのかもしれない』と思ってほしい」との言葉でシンポジウムを締めくくりました。

本コンソーシアムでは、今後も多くの人の声が交わる場を大切にし、様々な立場の人々と共に考えを深め、より良いDE&Iの実現に向けて尽力していく所存です。また、当コンソーシアムでは共に活動する会員団体の募集も行っています。興味がある方は、公式Webサイトよりお問い合わせください。イベント情報やレポート全文もぜひご覧ください。


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会社情報

会社名
京都大学コミュニケーションデザインとDE&Iコンソーシアム
住所
京都府京都市左京区吉田本町
電話番号

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