IGS、ADB、ERIAによるSTEM教育効果の国際比較プロジェクト始動
Institution for a Global Society株式会社(IGS)は、アジア開発銀行(ADB)と東アジアASEAN経済研究センター(ERIA)と共同で、STEM教育の効果を国際的に比較する大規模プロジェクトを開始しました。この画期的な取り組みは、アジア太平洋地域における教育の質向上に大きく貢献すると期待されています。
カンボジアでの実証実験
プロジェクトの第一段階として、カンボジアが選ばれました。カンボジア教育省の全面的な協力のもと、現地の中学校3校と高等学校3校の生徒約380名、教員約70名が参加。9月には、IGSが開発した非認知能力測定ツール「Ai GROW」と、数理科学的なものの見方や考え方、スキルを測定する「数理探究アセスメント」の初回調査が実施されました。
STEM教育の重要性
近年、STEM教育(科学、技術、工学、数学)と探究型学習への注目が高まっています。これらの教育は、単なる知識の習得にとどまらず、問題解決能力や創造力、批判的思考力といった「非認知能力」を育成することに重点を置いています。これらの能力は、国際社会が直面する複雑な課題を解決し、子どもたちが将来にわたって幸せな人生を送るために不可欠です。
ADB、ERIA、そしてIGSは、STEM教育の効果を最大限に発揮するためには、国境を越えたベストプラクティスの共有と、政策の効率化が重要だと考えています。このプロジェクトは、まさにそのための重要な一歩となります。IGSの測定ツールは、文化や言語の壁を超えて、客観的なデータに基づいた比較分析を可能にする点が評価され、今回のプロジェクトに採用されました。
Ai GROWと数理探究アセスメント
IGSの「Ai GROW」は、生徒一人ひとりの強みを可視化し、育成するための画期的な評価ツールです。AIを活用することで、自己評価と相互評価を組み合わせ、25種類もの能力を公平に評価できます。従来のテストでは測りにくかった「非認知能力」を正確に把握することが可能になり、生徒の個性を活かした教育を推進します。
一方、「数理探究アセスメント」は、東京学芸大学大学院の西村圭一教授の監修のもと開発されました。複雑化する現代社会において必要とされる「探究力」を育成するためのツールで、数学や理科の知識だけでなく、他教科との連携や協働を通して新たな知見を生み出す能力を評価します。
IGSのグローバルな取り組み
IGSは、世界中の子どもたちの能力開発に貢献することを目指し、教育事業の海外展開を積極的に進めています。今回のプロジェクトも、その取り組みの一環であり、IGSの技術とノウハウが、アジア太平洋地域の教育改革に貢献していくことが期待されます。IGSは、今後も様々な教育機関や国際機関と連携し、グローバルな教育課題の解決に尽力していきます。
今後の展望
カンボジアでの実証実験の結果を分析し、STEM教育の効果を検証した上で、プロジェクトは他のアジア太平洋地域の国々へと展開していく予定です。このプロジェクトを通じて得られた知見は、世界中の教育関係者にとって貴重な情報源となり、より効果的な教育システムの構築に繋がるでしょう。IGSの取り組みは、未来の世代を担う子どもたちの育成に、大きな可能性を秘めています。