NECが次世代データセンター向けオープンソースを発表!
NECは、次世代のデータセンター運営を見据えたオープンソースソフトウェア「Composable Disaggregated Infrastructure Manager」(CDIM)をリリースしました。このソフトウェアは、データセンターにおける効率的なコンピューティングの運用・管理を実現するために開発され、GitHubで公開されています。これは、デジタルトランスフォーメーションが加速している中で、データ管理や電力消費といった課題への一つの解決策となるでしょう。
CDIMとは何か?
CDIMは、急速なデジタル社会の進展に伴うICT分野の電力消費の増加に対し、効果的なリソース管理を可能にするためのツールです。2020年にはICTが世界の電力消費の約20%を占めるとの予測もありますが、NECはこの問題に対処するため、データセンターにおける省エネを促進する取り組みを進めています。
CDI(Composable Disaggregated Infrastructure)技術を用いたCDIMは、必要な時に必要なコンピューティングリソースを柔軟に接続できる仕組みを提供します。これにより、従来の複雑な環境から脱却し、マルチベンダー環境の中でも無駄なくリソースを活用できます。さらに、CDIMはシステムのワークロード特性に合ったリソースの最適接続を設計するフレームワークも提供します。
CDIMの特長
CDIMの魅力は、その運用管理の容易さにあります。以下の3つの特長によって、データセンターの運営効率を飛躍的に向上させることができるのです。
1.
統合管理機能
ユーザーインターフェイスを通じて、多様な情報に集中的にアクセス可能となり、サーバーやデバイスの数が増えた場合でも、運用管理を効率的に行えるようになります。これにより、リソース利用状況や消費電力の推移、不具合の有無が一目で確認できます。
2.
構成変更機能
Infrastructure as Code(IaC)を利用することにより、システム全体の構成をコードベースで一元管理できます。これにより、環境構築や運用の効率が向上し、人為的ミスのリスクを低下させることが可能です。
3.
マルチベンダー対応
CDIMはプラグイン機構を採用しており、異なるベンダーのハードウェア間でも柔軟に連携します。これにより、ベンダーロックインを避けつつ、多様なハードウェアの互換性を保証します。また、CDIエミュレータを使えば、CDIを所有していないユーザーもCDIMの機能を体験することが可能です。
今後の展望
NECは、CDIMの展開を加速させるとともに、GPUの効率的な利用を促進するための製品リリースを検討中です。また、OpenStackやKubernetesとの連携も進めていく予定であり、段階的に機能強化が図られる見込みです。具体的なロードマップはGitHubリポジトリで今後公開されるため、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
NECのCDIMは、持続可能なデジタルインフラの実現に向けて重要なステップであり、次世代データセンターの運用を変革する可能性を秘めています。今後の進展から目が離せません。