築48年の集合住宅がZEH水準リノベーションで新たに甦る
最近、奥村組、積水化学、リノベるの3社が協力し、兵庫県西宮市にある築48年の集合住宅をリノベーションするプロジェクトが始まりました。このプロジェクトは、単なる改修にとどまらず、環境に配慮したZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)水準の賃貸マンション「OC RESIDENCE R NISHINOMIYA OGO」として生まれ変わることを目指しています。新しい住居は、2025年4月から入居が開始される予定です。
プロジェクトの概要
このプロジェクトは、奥村組が保有していた古い社宅の利用を進化させる取り組みの一環であり、企業が保有する不動産の再利用を促進するCRE戦略の一部です。リノベる株式会社との連携により進められるこのリノベーションプロジェクトでは、従来の古い建物を現代の省エネ基準に適合させることを目的としています。
環境への配慮
本プロジェクトでは、全戸でZEH水準の省エネ性能を実現するために、分解工事を行い新たな設備を導入します。具体的には、高効率のエアコンや給湯器、断熱性に優れた浴槽を設置し、全戸でBELSの「ZEH Oriented」を取得予定です。
この取り組みにより、年間の光熱費は約3〜4万円の削減が見込まれ、居住者にとっても経済的なメリットがあります。特に、断熱性能が向上することで快適な室内環境が確保されることも他にない魅力です。
コミュニティの形成
共同で開発された共用エリアでは、バイオフィリックデザインの考え方を取り入れています。バイオフィリアとは、自然とのつながりを重視したデザインで、住まい自体が健康的であることを重視します。このデザインによって、住民同士のつながりや交流が促進される環境が整えられます。
また、経験豊かな住民が集まる共用ラウンジやドッグランなどの施設も整備され、ペットを飼っている方々にも喜ばれる設計です。広がりを持った暮らしを提案する空間がこれからの生活を豊かにすることでしょう。
子育て世代のための工夫
全46戸の住居は、フルリノベーションされ、子育て世帯を意識したデザインが採用されています。玄関には広い土間が設けられ、自転車やベビーカーの収納も容易にできます。さらに、一部の住戸には和室があり、家族の多様なニーズに応える空間が整えられています。
持続可能な未来へ向けて
このプロジェクトは、ただのリノベーションではなく、地域の持続可能な資産を築くための重要なステップです。企業各社の専門知識を融合させることにより、サステナブルな未来に向けた住宅の供給が実現します。3社は、今後もこの成功を基に全戸ZEH水準リノベーションを推進し、持続可能な社会の実現に貢献していく意向を示しています。
新たに生まれ変わる「OC RESIDENCE R NISHINOMIYA OGO」は、ただの住まいではなく、環境にも人にも優しい、ウェルビーイングな暮らしを提供するための新しい形の住宅となるでしょう。人と自然、そしてコミュニティが交わるこの住宅が、これからの住まいのスタンダードとなることを期待しています。