BIGCが日本での事業展開を開始
韓国のエンターテック企業BIGCが、日本法人「ビックジャパン株式会社」を設立した。代表取締役には金基一氏が就任。この発表は、K-POP公演やJ-POPアーティストのIP基盤事業を本格化させる意志を示したものである。
BIGCはグローバルに展開するエンターテインメントプラットフォームで、223カ国以上で利用されている。特に、そのユーザーの約80%が海外のファンであり、その中でも日本のファンが15%を占めるため、日本市場の重要性は非常に高いと判断された。
日本市場向けの現地化戦略
BIGCは、「K-POPでの成功を基にしたオールインワンデジタルベニューモデルを日本市場に適応させる」ことを表明し、オフライン公演やグローバルリアルタイムストリーミングを通じて、さまざまな収益モデルを提供する予定である。
この新たなモデルには、チケット予約、AIによるライブ配信、ファンとのインタラクション、映像コンテンツ、コマース、ファンデータの分析などが統合されている。これにより、アーティストのファンとの繋がりをより強化し、収益化を加速させる狙いがある。
K-POPの成功をもとにした日本へのアプローチ
BIGCはこれまでに、テミンやINFINITEなど、100以上のアーティストのグローバル公演を成功させてきた経験をもっている。昨年からはK-ドラマのファンミーティングやグローバルストリーミングコンサートを拡大させるなど、大衆文化全般に展開を広げている。
開始から2年が経過し、累積利用者数は250万人を突破。2025年第1四半期には黒字化を達成する見込みとなっている。前年同期に比べて売上は5倍、ユーザー数は13倍に増加したことで、BIGCの技術力と成長性が証明された。
幅広い事業展開を計画
ビックジャパンの事業は、K-POP公演市場を中心に、コンサートやファンミーティング、放送コンテンツ、ファンダムプラットフォームなど多岐にわたる。東京や大阪を中心に大型コンサートの企画・開催が進められ、さらにBIGCプラットフォームを利用したリアルタイムグローバル中継やファンとのインタラクション、グッズ取引を展開する計画だ。
また、日本の放送局と共同でのコンサート開催、授賞式のIP共同制作、J-POPアーティスト向けのファンクラブ運営も視野に入れている。これにより、デジタルライブやマーチャンダイジングといった、プレミアムなサービスモデルを提供することが目指されている。
日本市場のデジタルシフトを推進
BIGCは、グローバル78兆円規模のライブ公演市場において「Digital Shift」を推進することにフォーカスしている。これまでのK-POPで得た成功をもとに、日本市場においても同様のモデルを展開しようとしている。これにより、J-POPアーティストのグローバル展開もサポートし、オフラインでのファンクラブや公演、コマースにおいてもデジタル収益化を進める予定だ。
BIGCの代表であるキム・ミヒ氏は「日本はグローバル公演市場において約4.5兆円の大きな市場を形成しており、オールインワン デジタルベニューのモデルを通じて、日本におけるK-POP及びJ-POPアーティストの収益化を全面的に支援する」と強調した。
これからのBIGCとビックジャパンが日本市場でどのように進化していくのか、今後の展開から目が離せない。