楽天モバイルと富士通の新たな提携
楽天モバイル株式会社は、5G Sub6(3.7GHz帯)に対応したOpen RANの基地局を全国に展開するため、富士通株式会社の無線装置の導入を2025年に開始することを発表しました。今回の取り組みは、より広範囲なエリアをカバーするための重要なステップとなります。
Open RAN技術の利点
Open RAN技術は、通信ネットワークの運用を仮想化し、複数の機器メーカーが提供する装置を柔軟に組み合わせることができる点が特徴です。楽天モバイルはこの技術を駆使して、日本国内において完全仮想化されたクラウドネイティブなモバイルネットワークの構築を進めています。富士通が開発した無線装置「44R21」は、小型かつ低消費電力で、通信キャリアにとっての機器選択の自由度を高めることが期待されています。
特に、O-RAN ALLIANCEによって定義された国際標準に基づいて設計されたこの装置は、他のベンダーとの接続実績も多く、多種多様な機器と連携可能です。これにより、サプライチェーンのリスクを軽減し、柔軟なネットワーク構築が可能となります。
コスト効率と展開スピード
楽天モバイルは、独自の仮想化ネットワーク技術を駆使し、既存の基地局サイトを活用することで、追加工事の必要を最小限に抑え、迅速な基地局展開を実現します。この取り組みにより、コスト効率も向上し、ユーザーに対するサービス提供が一層迅速に行われることが期待されています。
また、楽天シンフォニー株式会社との連携により、さらにグローバルな展開にも取り組んでいく予定です。これにより、Open RANの普及に向けた一層の推進が図られるでしょう。
代表者のコメント
楽天モバイルの共同CEO兼CTOであるシャラッド・スリオアストーア氏は、「楽天モバイルは先進的なOpen RAN技術を活用しており、富士通製の無線装置を採用することで、5G基地局の展開を加速させていく」と述べています。
一方、富士通の執行役員である森林正彰氏は、「小型・軽量で低消費電力を実現したRUプラットフォームを通じて、楽天モバイル様のネットワーク構築をサポートしていく」との意向を示しています。
未来に向けた期待
2025年3月にはスペインのバルセロナで開催される「MWC Barcelona 2025」に本RUが出展される予定で、国際的なフィードバックを受けることで更なる発展が期待されます。楽天モバイルは、この新たな技術の導入を通じて、より高品質な通信サービスの提供を目指しています。今後の進展に注目が集まります。