人にやさしい未来を切り開く「ピエゾソニックモータ」がグッドデザイン賞受賞

ピエゾソニックモータとは？

ピエゾソニックモータは、超音波を駆使した回転型モータとして知られています。この技術は、特に小型で高トルクを実現する一方、静音性にも優れています。さらに、特筆すべきは、完全に電力が供給されていない状態でも姿勢を保持できるという特性です。これにより、様々な用途において大きな利点を得られます。

他のモータに比べて、トルクを増幅するためのギアやブレーキ、クラッチが不要なため、装置全体のコストを削減できる点も注目すべきポイントです。これにより、設備の小型化と軽量化が実現し、特に人が操作するロボットや精密な位置決めが要求される搬送装置の開発に革命をもたらします。

磁気の影響を受けない安心感

ピエゾソニックモータは、駆動中に磁力を利用しないため、MRIのような高磁場環境でも安定して機能します。医療現場における使用が期待されるこのモータは、先端医療機器の撮像性能を向上させる役割を果たせると考えられています。医療の現場で求められる精度を高めるための重要な要素となるでしょう。

グッドデザイン賞の受賞とその意義

近年、産業機器用モータは機能性やコストを重視して設計されることが多く、環境への配慮が欠如しがちです。しかし、今回のピエゾソニックモータは、その設計において製造プロセスや環境影響を考慮しています。また、安全性と高級感を兼ね備えたデザインを追求しました。

この受賞は、無塗装の外観がもたらす環境への優しさや、組み込み時における安全性の向上を評価された結果です。超音波モータの分野で初めての受賞となり、業界に新たな基準を示しました。

人にやさしいロボットを目指す

株式会社Piezo Sonicは、モータやロボットの開発に注力しているファブレスメーカーです。同社の創業者は、超音波モータに関する豊富な経験を活かし、独自の技術を駆使して高トルクかつ耐久性に優れた新型モータを開発しています。

また、同社は「搬送用自律移動ロボット」の開発においても、大田区との連携を通じて新たな技術を展開しています。このロボットは、月面探査技術を一般環境に応用したもので、工場内の自動搬送や空港での搬送支援機能の実現を目指しています。