建設ロボット統合プラットフォームの研究開発が始動
最近、日本の建設業界では、熟練技能者の不足が深刻な問題となっています。その解決策の一つとして注目が集まるのが、ロボティクス技術の活用です。特に、建設現場で複数のロボットが効率的に連携できるような共通のプラットフォームを構築することが、今後の業界の課題解決に寄与することが期待されています。
プロジェクトの立ち上げ
この度、ジザイエをはじめ、竹中工務店、Kudan、アスラテック、燈、センシンロボティクスの6社が、建設ロボティクス分野におけるソフトウェア開発基盤の研究に共同で取り組むことを発表しました。全社のCEOがプロジェクトに参加し、各社が持つ技術と知見を結集する形で進行されます。
オープンなプラットフォームの必要性
従来、個々のロボットメーカーが独自に開発を進めてきたため、互換性やコスト面での問題が浮上しています。これは新たなロボットシステムを導入する際の大きな障害となっていました。そこで、このプロジェクトでは、異なるロボットが共通の機能モジュールを組み合わせて利用できるオープン開発プラットフォームを構築します。
建設RXコンソーシアムとの協力
本プロジェクトは、建設RXコンソーシアムの知見を基に進められます。このコンソーシアムは、299社以上が参加しており、建設業界の様々な課題解決を目指しています。コラボレーションは、業界全体の底上げにも繋がるでしょう。
具体的な開発項目
本研究開発では、以下の6つの項目にフォーカスされます。
1.
ハードウェア機能開発(ジザイエ):普遍的な作業を行える共通移動ユニットを開発し、センサーや制御装置が容易に交換可能な標準構造を目指します。
2.
全体アーキテクチャの設計(竹中工務店):異なるメーカーのロボットを含む全体アーキテクチャを設計し、共通利用可能な構造を確立します。
3.
ソフトウェア機能開発(Kudan):ロボットが正確に位置を把握し、自動移動が可能なシステムを開発します。
4.
通信環境の構築(アスラテック):5GやWi-Fiを組み合わせた安定した通信基盤を整え、環境変化にも柔軟に対応させます。
5.
仮想空間での事前検証技術(燈):建設現場の動作を仮想環境でシミュレーションし、ロボットの動作を事前に検証します。
6.
運用支援管理ツール(センシンロボティクス):異なるロボットを一元的に管理できるシステムを提供し、共通の操作インターフェースを整えます。
今後の展望
本研究開発を通じて、ロボットシステムの導入・運用コストを削減することを目指します。また、「デジタル・ロボットシステム技術基盤構築事業」と連携し、実用性の検証も行います。将来的には、建設業界で確立した技術基盤を他の業界にも展開し、日本のロボティクス産業の世界での競争力を高めていく意図があります。
お問い合わせ先
この研究開発に関する詳細な情報やお問い合わせは、各社の広報担当者までご連絡ください。