鈴与と月桂冠、T2の自動運転トラック商用運行に参画

鈴与と月桂冠、T2自動運転トラックの商用運行に参画

静岡県の鈴与株式会社と京都府の月桂冠株式会社が、2025年11月28日から株式会社T2の自動運転トラックによる商用運行に参加することが発表されました。これは、国内で初めて事業化された自動運転トラックを用いた幹線輸送の試みです。

自動運転トラックによる日本酒輸送

この運行では、月桂冠の物流センターから鈴与の物流センターまでの約420キロの区間が対象となります。輸送は京都府の久御山JCTから神奈川県の厚木ICまでの自動運転区間が含まれ、日本酒が安全に届けられる予定です。三社による共同の取り組みで、トラックドライバー不足や労働環境改善といった課題への対応を目的としています。

鈴与と月桂冠の歴史は長いもので、それぞれ1801年、1637年から事業を展開してきました。その経験を生かしながら、新たな物流の形を作り出します。

実証実験を経て商用運行へ

実際に、鈴与は2025年7月から9月の3回、月桂冠向けに日本酒を運ぶ実証実験を行いました。その中では、T2のレベル2自動運転トラックを用いて運行サービスの技術的な有効性が検証され、既存の輸送品質と安全性が維持されることが確認されました。これにより、鈴与と月桂冠は自信を持って商用運行に参画することを決定しました。

自動運転トラックの提案は国内物流業界に新風を吹き込むものであり、今後の商用運行がどのように展開されるか注目が集まっています。T2は2025年7月にレベル2の自動運転トラックを用いた幹線輸送の商用運行を開始し、順次他社も参画し始めています。

今後の展望

鈴与と月桂冠は、今回の商用運行を通じて得られる知見を活かし、2027年度予定のレベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービスへの協力も視野に入れています。両社は安定した供給力を確保し、社会のニーズに応える事業展開を志向しています。

この取り組みは、日本の物流業界における革新の一環として、大きな意義を持つでしょう。各社が力を合わせて、来る未来の自動運転社会へと一歩を踏み出す姿勢が評価されています。