ANAが「旅と学びの協議会」設立、旅行と教育の新たな融合に迫る

近年、旅と学びの関係性が注目される中、ANAホールディングス（ANAHD）が主導する「旅と学びの協議会」が設立されました。この協議会は、教育工学、幸福学、観光学の専門家たちが集まり、旅の持つポテンシャルを科学的に検証することを目的としています。特に、旅行が社会人や学生にとって有意義な学びの場となり得ることを提言し、新たな教育手法として確立を目指します。

この協議会には、ANAのほかに鉄道、通信、広告、観光、教育、航空などのさまざまな業界から14社が参加しています。また、私立中高学校5校や地方自治体、政府観光局などからなる7つのNPOも協力団体として参画しています。これにより、幅広い観点から旅行と教育の融合を探求する環境が整えられています。

協議会の活動には、旅行プログラムの開発、データの科学的な検証、そしてその活動を広く発信することが含まれています。特に注目に値するのは、SHIFT-x社が提供する「Transformative Trip®」というコンセプトです。このプログラムでは、デンマーク、ポートランド、カンボジアにおける学びの旅行が開発されており、旅行者は異文化交流を通じた新たな学びを体験できるよう設計されています。

現在、SHIFT-x社は、屋久島での「ワーケーションプログラム」の構築や、コロナ禍以降の新たな学びの形として海外でのプログラム開発を進めています。これらの取り組みは、旅行を通じて得られる経験や知識を教育にどのように活かすか、という点で非常に興味深いです。

協議会の活動の一環として、オンラインシンポジウムが開催される予定で、一般への情報発信や今後の方向性についての発表も予定されています。全体は無料で参加できるため、旅行や教育に興味のある方々にとって魅力的な機会となるでしょう。

このような取り組みは、旅行が単なるレジャーの域を超え、教育的な意味を持つことを示しています。社会が求める新しい形の学びとして、旅による経験が重要視される中、ANAとその協議会の活動は、今後の旅行業界や教育界において大きな影響を与えることでしょう。旅行と学びの融合を通じて、新たな価値を生み出すこの活動から目が離せません。