帝京大学で心肺蘇生イベントが開催
2025年3月27日、東京都板橋区に位置する帝京大学の板橋キャンパスでは、アメリカ心臓協会が主催する国際的な心肺蘇生イベント「Nation of Lifesavers」が開催されました。このイベントは、心肺蘇生法(CPR)や自動体外式除細動器(AED)を学び、生存率の向上を目指すもので、参加したのは多くの学生たちです。
日本における心停止の現状
近年、日本では急な心停止からの生存率が顕著に低下しており、特に2020年以降はその状況が深刻化しています。この問題に対処するため、アメリカ心臓協会は心肺蘇生法の普及活動を推進しています。
イベントの構成
「Nation of Lifesavers」では、心肺蘇生法の重要性を学ぶ講演会と、実際に手技を習得する実技講習会が行われました。基調講演では、アメリカ心臓協会のボランティアインターナショナルアドバイザーであるDr. Damodhar P. Sureshが講演を行い、心肺蘇生の基本や実践的方法について語りました。さらに、帝京大学ラグビー部の監督でありスポーツ医科学センターの講師である相馬朋和氏や、学生団体の帝京大学ACLS研究会現メンバーによる講演も行われ、参加者全員に実践的な知識が共有されました。
教育の質と表彰
特に評価されたのは、帝京大学が長年アメリカ心臓協会のトレーニングに寄与してきた点であり、本イベントは共催した帝京大学、後援した日本循環器学会と帝京大学ACLS研究会が表彰されるという結果になりました。これにより、同大学の取り組みが社会において評価され、さらなる教育の充実が期待されます。
実技講習会の様子
実技講習会では、参加した学生たちが専門のトレーナーから具体的な指導を受けて心肺蘇生やAEDの使い方を学びました。特に、スマートフォンアプリを使用しながら、胸骨圧迫の質を測定しつつ練習を重ねることで、より正確な技術の習得が行われました。
講習の最後には、参加した全員にアメリカ心臓協会から参加証とバッジが手渡され、「強く、速く、絶え間なく」というスローガンのもと、胸骨圧迫に取り組む仲間たちを互いに称え合いました。参加学生たちの目には、新たな使命感が宿っていました。
帝京大学の取り組み
帝京大学は、医学部と附属病院を有し、医療人の育成に力を入れています。シミュレーション教育など、より実践的な医療教育を通じて、社会に広く貢献していく姿勢を貫いています。
今回の「Nation of Lifesavers」イベントは、次世代の医療人たちが重要な技能を身につけるだけでなく、周囲の人々に命を救うための知識を広める重要な機会となりました。アメリカ心臓協会と帝京大学が展開するこの活動は、多くの生命を救うための重要な一歩となることでしょう。