南小国町の防災士育成プロジェクト
熊本県阿蘇郡南小国町では、観光地域づくり法人の株式会社SMO南小国が中心となり、防災士を育成するプロジェクトが進行中です。このプロジェクトは、熊本地震から10年という節目を迎え、観光地における防災力を強化するために立ち上げられました。特に、年間約140万人が訪れる南小国町では、日帰り観光客の安全管理が大きな課題となっていました。
プロジェクトの背景
観光地における防災体制は、通常、住民を対象とした地域防災計画と宿泊者向けの安全管理に基づいています。しかし、日帰り観光客や移動中の旅行者の避難誘導や情報提供に関する具体的な対応が不足しているのが現状です。観光業において、災害発生時に誰が観光客を守るのかという問題に正面から向き合う姿勢が必要だと感じたSMO南小国は、地域全体でこの課題を解決する方法を模索しています。
防災士育成研修の概要
2026年6月18日と19日の2日間にわたり、約70名の防災士を育成するための養成研修が行われます。参加者は、観光事業者や地域住民といった多様な立場の人々が含まれます。この地域ぐるみの防災士育成は、全国でも珍しい取り組みです。
主な活動内容
- - 観光危機管理体制の強化: 防災士の資格取得を通じ、地域に合った災害対策や応急対応法を学びます。特に、土地勘のない外国人観光客への対応が重点課題です。
- - 共助ネットワークの構築: 地域内の事業者や住民が連携する体制を整え、緊急時の協力を促進します。
今後の展望
このプロジェクトは、単なる資格取得にとどまらず、地域内の危険箇所や避難経路の確認、情報共有体制の整備を含みます。観光事業者や関係機関との協力のもと、観光危機管理計画の充実を目指していきます。
南小国町を訪れる観光客が安心して過ごせる環境を整えるため、地域全体での取り組みを進めます。担当者が語るように、「住民は行政が守り、宿泊客は宿泊施設が守る。しかし、その日帰り観光客を誰が守るのか?」という問題に真剣に向き合う姿勢が、今後の観光地の責任として必要です。
プロジェクトの意義
このプロジェクトは、ただの防災士育成にとどまらず、地域全体の安全を高めることで、観光地としての魅力を維持することに貢献します。熊本地震の教訓を活かし、次世代への「安心して訪れることができる観光地」を引き継ぐために、地域一丸となって取り組んでいくことが求められています。
本プロジェクトの進展が、南小国町の観光業の発展に寄与することを期待しています。