競技用車いす向けの特別仕様軸受を提供するNTNと選手たちの挑戦

NTNと車いす陸上競技に挑む選手たち

車いす陸上競技の選手に向けた特別な座席が、NTN株式会社の最新技術により実現しました。今回、バイエル薬品株式会社に所属する伊藤智也選手と、SMBC日興証券株式会社に所属する上与那原寛和選手に、NTNが開発した競技用車いす向けの軸受が提供されることが発表されました。この特別仕様の軸受は、自転車用の軸受で培った技術とノウハウを生かして設計され、選手たちのレースでのパフォーマンスを向上させることを目的としています。

NTNの技術と環境への配慮

NTNは、自動車や各種産業機械、さらには電動アシスト自転車の駆動ユニットやホイールに適した軸受を開発、提供しています。これにより、環境に優しく、安全かつ快適な移動手段を提供し、環境負荷の低減に貢献しているのです。特に、車いす陸上競技選手に向けた今回の軸受は、選手たちが快適に、そして真剣に競技に臨むための新しい仲間となります。

特別仕様の軸受の特長

新たに開発された軸受は、前回提供したホイール用軸受を基にしています。選手の走行姿勢やレース戦略、実際のフィーリングをもとに設計されており、何度も調整が行われた結果、選手にとっての最適な仕様が完成しました。新しい軸受は、転動体にセラミックボールを採用し、潤滑方法をグリースから油に変更。これにより、さらに優れた回転性能と低トルク性が実現し、選手たちのスピードと安定性を高めています。

エンジニアとのコラボレーション

この特別な軸受のホイールへの組み込みは、NTN陸上競技部の若手エンジニアが担当しました。彼もまた長距離ランナーとして活動しており、陸上競技者としての視点を持ちながら選手たちとの共同作業にあたります。100分の1秒にかける思いを共有しながら、選手たちのニーズに応えるために徹底的なチューニングを行っています。

両選手の挑戦と期待

伊藤智也選手は、「NTNが提供してくれる軸受の可能性を最大限に引き出すため、全力を尽くしていきたい」とコメントしています。彼は、数々の国際大会での実績を持ち、2024年のパリパラリンピックに向けて意気込んでいます。

一方、上与那原寛和選手も「NTNの軸受の特性を最大限に活かし、競技力向上を目指していく」と抱負を述べ、選手たちの目指すところは高みに向かっています。

NTNは、これからも競技用車いす向けの新しい技術開発を行い、両選手が目指すさらなる高みをサポートします。スポーツを通じて、誰もが楽しく活躍できる社会を築くために、一歩一歩進んでいくことでしょう。

私たちも、選手たちの挑戦とNTNの技術の進展を見守りながら、応援し続けたいと思います。