赤ちゃん本舗の新たな取り組み
赤ちゃん本舗が進める「生理体験研修」は、職場環境をより良いものにするための革新的な試みです。この研修の背後には、職場での生理に関する理解不足があり、これが同僚同士の円滑なコミュニケーションを妨げる障壁になっていると捉えられたことがあります。生理やその苦痛は多くの人にとって非常にデリケートな問題であり、簡単には話しづらいことがらです。しかし、赤ちゃん本舗はこの問題を無視せず、オープンに議論できる場を作ろうと動き出しました。
プロジェクトの発端
この研修が実現したのは、商品本部の山崎バイヤーが外部セミナーで得た新たな視点から始まりました。彼は参加後、自らの気づきを社内で共有し、そこからプロジェクトが始動しました。最初は少人数の有志が集まったものの、その取り組みは徐々に広がり、様々な部署から合計12名のメンバーが参加。商品本部の他にも人事部や経営企画部などが共同でプログラムを設計したのです。
研修の目的と期待する変化
プロジェクトメンバーが特に重視したのは、研修が単なる知識の習得で終わらないようにすることでした。彼らは研修の目的を以下の3つに整理しました。1. 「生理を知りつくす」活動の体系的な実施、2. 従業員の生理に関する認識の向上、3. 生理について話しやすい職場環境の構築です。こうした取り組みを通じて、研修が一過性のイベントではなく、持続可能なものであることを目指しました。
独自プログラムの設計
赤ちゃん本舗は、ユニ・チャームの「ソフィ みんなの生理研修」を基本に、自社独自のプログラムを設計しました。このプログラムには、実際に生理用品に触れたり、特別なデバイスを用いて生理痛を疑似体験する方法が含まれています。このデバイスは、筋電気刺激を利用して生理の痛みをリアルに感じることができるもので、参加者はこの体験を通じて深い理解を得る機会を持ちました。
当日の体験と参加者の反応
研修当日は、年齢や役職を超えた社員が参加しました。その中でも男性が60%を占め、男女同じ場で学ぶことで相互理解を深めることができたのです。生理痛を実際に体験した社員からは「驚くほど痛い」「これが現実なんだ」との声が上がり、参加者みんなが感じる感情が一層リアルに伝わったようです。
学びと気づきの共有
特に印象的だったのは、体験を通じて「生理の痛みを抱えながら働くことがどれだけ大変か」を具体的に想像する声が続出したことです。参加者の中には、「これが何日も続くなんて想像以上だ」という感想もあり、ただの同情から理解に変わる瞬間を目の当たりにしました。しかし、同時に配慮の難しさも明らかになり、「男性から声をかけるのはハードルが高い」との意見や、「生理だからと言われたくない」という声もあり、複雑な感情が浮かび上がりました。
次のステップ
研修の最後には、研修で得た体験を職場の具体的な運用に結び付けるアイデアが話し合われました。例えば、会議中に「10分の休憩を義務化する」という提案や、体調の変化について自由に発言できる環境を作るための工夫などが挙げられました。また、「誰もが当たり前に生理休暇を取れる職場になってほしい」という声もあり、制度を実現するだけでなく、実際に使いやすい空気を醸成することが重要であると再認識されました。
赤ちゃん本舗は今後もこの取り組みを進め、職場環境の改善やコミュニケーションの質を向上させることを目指しています。従業員がより健やかな環境で働けるよう、継続的な努力が期待されます。