株式会社マクニカは、Rajant Corporationとの正規パートナー契約を締結し、メッシュネットワークを低コストで構築できる通信機器「BreadCrumbシリーズ」の提供を開始したと発表しました。
マクニカは、これまでモビリティの開発や運行を支援するため、「マクニカモビリティデータプラットフォーム(MMDP)」を開発してきました。MMDPでは、通信インフラの構築が重要な要素となります。離れた場所にあるモビリティを遠隔で管理・制御するためには、安定したインターネット環境が不可欠です。しかし、従来のLTEやWi-Fi回線では、障害物の多い場所での通信途絶や接続不能といった問題がありました。
「BreadCrumbシリーズ」は、Rajantの「Kinetic Mesh」技術を活用することで、安定したネットワーク環境を実現します。それぞれの端末がクライアントとインフラの両方の役割を果たすため、動的な無線メッシュネットワークを容易に構築できます。
高速で安定したネットワークを構築する方法としてローカル5Gがありますが、専用サーバー機器の設置や専用基地局の敷設、免許の取得などが必要となり、多大なコストと手間がかかります。「BreadCrumbシリーズ」は、Wi-Fiなどで利用されているISMバンドを利用することで、高速で途切れにくい堅牢なネットワークを迅速かつ容易に構築できます。
また、インフラ向けのモデルから、小型のロボットにも実装可能なコンパクトなモデルまで、幅広い製品をラインナップしており、柔軟なネットワーク構築が可能です。さらに、データ通信のセキュリティ対策も万全です。パケット暗号とMACアドレス暗号の設定が可能で、デバイスやネットワークへの不正アクセスからパケットを保護します。「Kinetic Mesh」はミリタリーグレード、政府グレードのセキュリティ機能を備え、ネットワーク全体でエンドツーエンドの情報保証を提供します。
「BreadCrumbシリーズ」は、車両開発におけるテストコースでのデータ収集、物流倉庫内での自動搬送ロボットの運行管理、鉄道駅や空港、鉱山など、様々な場所で導入実績があります。
マクニカは、LTEやWi-Fi回線に加え、「BreadCrumbシリーズ」を選択肢に加えることで、通信が届きにくいエリアでも堅牢なネットワークを構築できるようになりました。同社は、自動運転EVバスの運行管理システム「everfleet」を提供しており、本シリーズと組み合わせることで、安定した通信インフラと一貫したシステム構築をワンストップで提供できます。
今後も、マクニカは新しいサービスや製品を提案することで、お客様の事業拡大に貢献していくとしています。