リケナリシスが「RALM」を発表
リケナリシス株式会社は、2023年6月にDeepLabCut向けのアノテーションソフトウェア「RALM Rapid Labelling Manager for DeepLabCut」の提供を開始しました。この新しいツールは、AI開発において最も工数がかかっていたアノテーション作業を効率化し、AIモデルの精度向上に寄与することを目的としています。
アノテーション作業の課題
AIモデルの開発において、アノテーション作業の質は重要な要素であり、この作業に多くの時間とリソースが費やされてきました。従来のアプローチでは、DeepLabCutに必要な環境を構築することが求められ、多くのユーザーがその手間に苦しんでいました。しかし、RALMを使用すれば、煩雑な環境構築なしに、ラベリングおよびラベリングチェックが可能になります。
RALMの特徴
1. 簡易なシステム要件
RALMは、通常のPC(Core i3以上推奨)で動作するため、特別なハードウェアを必要としません。普段使いのノートPCでも十分にラベリング作業を遂行でき、手間を大幅に減少させることができます。
2. 連続ID表示による使いやすさ
同一IDのフレームごとに表示する機能を搭載しており、複数の動物を追跡する際のID取り違えのリスクを軽減します。
3. 高レスポンスな動作
HPC(ハイパフォーマンスコンピュータ)に依存せず、快適なレスポンスを実現しています。処理の待ち時間がないため、スムーズな作業を貫くことができます。
4. 親しみやすいUI/UX
DeepLabCutに慣れたユーザーでも違和感のない操作感を提供します。例えば、マウスホイールでラベルを削除するなど、直感的な使い方が可能です。
5. 即時読み込み機能
ラベリング作業後、すぐにDeepLabCutでデータを読み込めるのも大きなメリットです。Saveボタンを押すことでHDFおよびCSVファイルの同期が取れ、迅速な作業進行が実現します。
6. 簡単なラベリングチェック
ラベリング後に一つのボタンでラベリングチェックに移行できるため、作業の流れがスムーズです。
7. 自動切換え機能
起動時にconfig.yamlを自動読み込みし、SingleAnimalもしくはMultiAnimalのモードを自動で切り替えることが可能です。
8. 設定ファイルの柔軟性
RALMconfig.yamlで簡単に設定ができ、スケルトンやラベル名の表示、DLCバージョン選択、ラベルサイズなどを自在にカスタマイズできます。
9. 最新バージョンに対応
RALMは最新版のDeepLabCut2.3にも対応しており、2.2への対応も予定されています。
価格情報
RALMの基本価格は437,800円(税込)で、追加ユーザーライセンスも購入可能です。また、アカデミーに対する30%の割引も用意されています。年間保守サービスは65,670円(税込)となっています。
リケナリシス株式会社について
リケナリシスは2015年に設立され、理化学研究所との共同研究を通じて産業界への応用を推進している企業です。理研の研究成果を基に、技術を実用化し、産学連携の活動を展開しています。
【会社概要】
- - 会社名:リケナリシス株式会社
- - 所在地:東京都港区六本木5-11-16
- - 代表者:大関敏之
- - 設立:2015年10月
- - 事業内容:VideoAIサービスの提供、開発、コンサルティング、ソフトウェア販売
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