美容外科の未来を見据えた倫理と教育の重要性
美容医療は近年、非常に身近な存在になり、多くの人々がその恩恵を受ける一方で、医療トラブルも増加しています。2025年5月29日、犬飼麻妃医師が第113回日本美容外科学会で発表した内容を基に、今後の美容医療に必要な倫理と教育について考えてみましょう。
1. 合併症外来の必要性
犬飼医師は藤田医科大学ばんたね病院で「合併症外来」を設立し、アクアフィリング豊胸などのトラブルに対処しています。施術の選択ミスや十分な説明がないまま施術を受けた結果、合併症や後遺症に苦しむ患者も少なくありません。患者が適切な治療を受けるためには、専門的な外来診療が必要です。
この外来は、万が一の緊急事態にも対応できる体制が整えられており、選択肢として非常に重要な役割を果たしています。合併症外来の存在は、美容医療における安全性と信頼性を高める取り組みとして期待されています。
2. 患者自身の知識が必要
美容医療の施術を受ける際、自分が何を受けているのかを知っていることは非常に重要です。合併症外来には、「自分が使用した注入剤が何かわからない」といった患者も多く存在します。特にアクアフィリングのように、以前は安全とされていた製品によるトラブルも後を絶ちません。SNSや広告から得られる情報には偏りも多く、正しい判断材料を持つことが患者の責任となります。
3. 信頼できる医師の選び方
信頼できる医師を選ぶためには、その医師の経歴や施術の経験をしっかりと調べることが欠かせません。医師の知識や技術がどれだけ豊富であっても、情報開示をしない医師には注意が必要です。高い技術を持っている医師を選ぶのがベストですが、専門性だけでなく多様な施術に対応できる医師も選択肢としては重要です。
4. 複数のクリニックでの比較
治療を受けるクリニックを決定する際には、複数の医療機関でカウンセリングを受けることを推奨します。数回の訪問で印象が変わることもあり、様々な意見を聞くことで自分に合った医療を受けられる可能性が高まります。即決を促すようなクリニックは注意が必要で、患者自身が納得したタイミングで施術を受けるべきです。
5. 教育と倫理観が必要
美容医療における安全な施術提供には、医師自身が持つ知識や技術だけでなく、高い倫理観も求められます。現在、美容医療市場の急成長に伴い、研修を受けないまま施術を行う医師が増えており、それに伴い医療トラブルも増加しています。
合併症外来の設立と同時に、ザ・プラス美容外科は教育と倫理の重要性にも取り組んでいます。医局員向けのハンズオンセミナーを定期開催し、責任ある医療人材の育成を推進しています。
このように、教育と倫理観の向上は美容医療の質を向上させ、患者の安全と信頼を築くために不可欠な要素です。ザ・プラス美容外科では、患者が安心して施術に臨み、万が一のトラブルに対しても真摯に向き合う環境を整えています。
まとめ
美容外科の進化に伴い、重要なのは患者自身の知識と医師の倫理観です。安全で信頼性のある美容医療を提供するため、新たな取り組みが求められています。正しい情報を基に、自分を守る意識が、後悔のない選択につながることでしょう。