設備の長寿命化に関する調査結果
ビズキューブ・コンサルティング株式会社が実施した「設備の長寿命化に関する取組み実態と今後の展望」に関する調査は、日本の設備業界が直面している深刻な課題を浮き彫りにしました。
調査の概要
本調査は、設備機器の製造・販売、施工、保守・メンテナンスサービス、商社・代理店に従事する営業および経営管理層228名を対象に行われました。調査期間は2026年2月24日から3月2日までの短期間で、インターネットアンケート形式が採用されました。
調査結果の要約
調査結果から、設備メーカーやエンジニアリング会社が長寿命化に向けた取り組みにおいて、依然として「定期点検」の枠にとどまっていることが明らかになりました。IoTや遠隔監視技術の導入は進んでいるものの、これらのデータを顧客への具体的な提案に活かせている企業はごく少数に過ぎないのです。
さらに、顧客が修繕か入れ替えかを判断する材料として、「将来のコスト予測やシミュレーション」が提供できている企業は7割以上に上りません。このことから、顧客に対して十分な情報を供給できていないという構造的な問題が浮かび上がります。
また、2026年4月施行の改正資源有効利用促進法に関して、知らなかった企業が32.9%、知っているが未着手の企業が21.9%という現状も示されました。これは、業界全体での迅速な対応が求められていることを意味しています。
日本の設備業界の現状
日本の産業および社会インフラを支える設備機器は、老朽化と技術者不足という「二重の危機」に直面しています。特に高度経済成長期から1990年代にかけて大量導入された設備が更新期を迎える中で、保全技術者の高齢化が進んでおり、知識の継承が難しくなっています。
改正資源有効利用促進法の施行により、長寿命化への対応が法律で求められるようになり、業界全体での取り組み強化が急務となっています。
調査結果詳細
取組みの方針
長期修繕への取り組みを方針に掲げている企業は52%。ただし、現場の実態は必ずしも方針通りではなく、定期点検以上の提案がなされていない状況が目立ちます。
事後保全が主流
顧客への提案が「定期点検だけ」という企業が約28%に達しています。事後保全(故障時に対応する)の方が主流となっており、長期的な視点が欠けていることが明らかです。
データ活用の未熟さ
遠隔監視の技術を活用している企業は33%に上るものの、そのデータを顧客への具体的な提案に活かせていない実情があります。顧客の判断材料として過去のデータが多く、必要な未来予測の提示ができていない企業が大半を占めます。
解決に向けた考察
このような問題を解決するためには、技術者の育成や顧客への啓蒙、データ活用基盤の整備が欠かせません。改正资源有効利用促進法の施行を機に、業界全体で「故障後に修理する」のから「故障しないように管理する」ためのシフトを急いで進める必要があります。
今後の展望
設備の長期修繕マネジメントの需要は今後さらに高まると予想されます。また、IoTやAIを活用することで、顧客に長期修繕計画を提案する能力が、業界内での競争力の源泉となる時代が訪れるでしょう。ビズキューブ・コンサルティング株式会社は、これらの課題を克服し、業界全体の発展に寄与すべく、さらなる取り組みを続けていきます。