2024年10月12日、香川県丸亀市にある猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)で展覧会「ホーム・スイート・ホーム」が始まります。本展では、国際的に活躍する7人の現代美術家の作品を通じて、愛しい「家」や族の意味、そしてそこに秘められた希望や喪失を考察します。「ホーム」という言葉は、物質的な家や家族、さらには故郷といった多様な意味を持ちますが、近年のパンデミックや国際的な紛争の影響で、それがどう変化したのかを再考する機会を提供します。
本展は、2023年に大阪の国立国際美術館で開催された同名の展覧会の巡回それとなり、展示空間を手掛けるのは、国際的に名高い建築家・谷口吉生氏です。MIMOCAの高い天井を活かし、それぞれの作品が相互に響き合うような展示を目指します。
出品作家には、イギリスのマリア・ファーラ、中国の潘逸舟、ドイツのアンドロ・ウェクア、その他日本を拠点に活動する6名のアーティストが名を連ねています。それぞれの作品は、過去の経験や文化的背景をもとにした多様なアプローチで「家」に向き合っています。
例えば、ポストコロナ時代の「家」をテーマにしたファーラの新作は、彼女の幼少期の記憶を反映させたものです。また、潘逸舟は自らの身体を用いた映像作品で、中国の伝統文化と現在を繋げます。アンドロ・ウェクアの作品は、故郷を失った悲しみとその記憶を描き出し、観る人に強いメッセージを送ります。
さらに、展覧会の見どころとして、ジャンルを越えた作品群が揃い、インスタレーションや映像、彫刻など多種多様な表現を楽しむことができます。特に、竹村京の「修復シリーズ」は、日常の壊れた物の修復を通じて記憶を再構築し、現代の「家」への思いを代表しています。
また、会期中にはオープニング・トークや竹村京のパフォーマンス、キュレーター・トークなど、様々な関連イベントも用意されています。これは観る人々が展覧会を楽しむための新たな体験を提供するものです。
「ホーム・スイート・ホーム」は、展覧会を通じて、過去と現在、個人と社会の繋がりを再探求し、「家」というテーマの奥深さを掘り下げています。ぜひこの機会に、美術館での体験を通して、さまざまな「ホーム」を感じ取ってみてください。
開催概要
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
会期:2024年10月12日(土)~2025年1月13日(月・祝)
開館時間:10:00-18:00(入館17:30まで)
休館日:月曜日ほか
観覧料:一般950円、大学生650円
お問い合わせ:0877-24-7755
本展は、現代社会における「家族」や「故郷」を多面的に考察する貴重な機会です。ぜひ足を運んで、多様なアートが描く「家」の風景を感じてください。