脱炭素と循環型経済の融合:北海道エコリサイクルシステムズの新たな挑戦
2023年、北海道エコリサイクルシステムズ株式会社(HERS)は、株式会社日立製作所(以下、日立)との共同で、地域資源の循環利用と脱炭素を同時に実現できる先進的な事業モデル「CE×CN」を構築することを発表しました。この新モデルは、環境問題が深刻化する中で、持続可能な資源利用への期待が高まる中、重要な意味を持つ取り組みです。
循環型経済とは?
サーキュラーエコノミー(CE)は、製品や資源を可能な限り長く循環利用し、廃棄物や環境負荷を最小限に抑える経済モデルです。従来の直線型経済体系では、「作って・使って・捨てる」という流れが問題視されており、資源の無駄遣いや環境への負荷が大きな課題となっています。HERSは、1999年の設立以来、使用済み家電やパソコンから金属やプラスチックを再資源化することで、循環型経済の実現に寄与してきました。
脱炭素への取り組み
一方、カーボンニュートラル(CN)は、事業活動によって排出される温室効果ガスを実質的に排出ゼロにすることを目指す概念です。近年の地球温暖化への影響を鑑み、HERSはリサイクルプロセスに必要なエネルギーを再生可能エネルギーに切り替える欠かせないステップを踏み出しました。
具体的には、2024年11月から、電力取引プラットフォームを通じて100%再生可能エネルギーの電力調達を開始し、2025年10月には北海道苫小牧市の倉庫棟に太陽光発電設備を導入する予定です。このアプローチにより、年間約800トンのCO₂排出量削減を見込んでいます。
日立との協力
HERSは、日立の得意とするOT(制御・運用技術)分野における知見を活かし、CNに寄与するための技術開発を行います。具体的な設備やシステムの設計・構築は日立が担当し、この協働作業が「CE×CN」のモデルケースとして全国のリサイクル事業者への普及を目指しています。
日立は、製造業や流通業などさまざまな業種において、CNに貢献するプロダクトやOT、ITを組み合わせたLumadaソリューションを提供します。これにより、環境面、社会面、経済面での持続可能な発展を追求します。
将来の展望
HERSは、今後もリサイクル技術のさらに向上を図り、より効率的な資源循環へと貢献すると共に、サステナブルな社会の実現に向けて取り組んでいきます。また、この取り組みにより、企業理念である「持続可能な資源利用の促進」を具体化させる機会を得ることができるでしょう。
北海道エコリサイクルシステムズのが抱える課題は、環境保護と経済発展のバランスを如何にうまく取るかにかかっています。そのためには、地域社会との連携を強化し、地域資源の有効活用をさらに進める必要があります。この「CE×CN」の挑戦が、持続可能な未来のモデルとしてどのように広がるのか、注目が集まります。
HERSの詳細や最新情報については、
公式ウェブサイトを是非ご覧ください。