視覚障害者用読書器の給付額に見る自治体間の差
視覚障害者が日常生活で使用する「視覚障害者用読書器」の給付額について、全国1741の市町村を調査した結果、自治体ごとに大きな差があることがわかりました。調査したのは、視覚障害者向けの機器を提供している株式会社システムギアビジョン(兵庫県宝塚市)で、日常生活用具給付制度に基づく自治体の給付額を徹底的に調査しました。
この調査によると、全国で視覚障害者向けの読書器の基準額は198,000円であり、これを上回る給付を行っている自治体はわずか97市町村でした。特に名古屋市では269,000円もの給付を実施しており、基準額よりも71,000円も多いことが明らかになっています。一方で、あくまで基準額の198,000円を踏襲している地域も多く、地域格差が利用者に与える影響が浮き彫りになりました。
読書器の役割と必要性
視覚障害者が日常生活で必要とする読書器は、カメラで文字を拡大し、画面に表示することで、書類の確認や学習、就労に役立ちます。視覚の状態は個人によって異なるため、携帯型の小型機器では十分な文字の確認ができない場合もあります。そのため、大きな画面を備えた据置型の機器が必要とされることがあるのです。しかし、これらの機器は20万円を超える価格帯になりがちで、自治体の給付上限額が低い場合、利用者が自己負担する額が膨らむ可能性が高くなってしまいます。
給付額の見直しが必要な背景
最近の為替相場の影響や、日本での輸送費、原材料コストの上昇により、読書器の価格は上昇傾向にあります。このため、2023年12月には日本ロービジョン学会などの団体から、自治体に対して給付基準額の引き上げを要望する文書が提出される状況に至っています。これには、多くの視覚障害者が高額な自己負担を余儀なくされ、機器購入を断念することを防ぐ狙いがあります。
システムギアビジョンでは、「給付額の差が利用者に与える影響を重視し、制度の改善と広報活動が進むことを期待しています」とコメント。また、同社のホームページでは、各自治体の給付上限額の一覧を公開し、利用者や支援者が制度を確認しやすいような情報提供を行っています。
調査の概要と結果
調査対象は全国1741市町村で、方法としては各自治体のホームページや給付実績を基に確認を行いました。調査結果には、基準額が198,000円であること、これを上回った自治体が97市町村であること、そして名古屋市における給付の最高額が269,000円であることなどが含まれています。
現在、多くの自治体にて制度に対する問い合わせが増えてきており、利用者が自分の居住する自治体の制度の詳細を調べる動きが見られます。支援が必要な地域に是非とも目を向け、その実情の改善に向けたアプローチが求められる時期に来ていると言えるでしょう。
会社情報
株式会社システムギアビジョンは、兵庫県宝塚市に位置し、視覚障害者向けの機器の企画・開発・販売・保守を行っています。公式ウェブサイトでは、さらなる情報提供とともに、視覚障害者の暮らしを支援する製品を展開していくことを目指しています。
【お問い合わせ先】
株式会社システムギアビジョン
営業課:日浦、白潟
TEL:0797-74-2206