センブリの新生産法
2025-11-20 14:48:49

水耕栽培で注目のセンブリの効率的な生産法が確立

日本の伝統薬、センブリの効率的な生産法



近年、医療現場での漢方や生薬への需要が高まっており、特に日本の三大民間薬の一つであるセンブリが注目されています。この度、三進金属工業株式会社と近畿大学の研究チームが、センブリの水耕栽培において、従来の土耕栽培に匹敵する成果を上げ、しかも栽培期間を大幅に短縮する方法を発表しました。この研究は、2025年8月に広島で開催された第42回和漢医薬学会学術大会で紹介され、優秀発表賞に選出されました。

研究の背景と目的



生薬の年間使用量のわずか9%が国産とされる中で、安定した供給が求められています。生産者にとって新規参入の障壁が高いため、水耕栽培の利点を最大限に活かした方法の確立が急務です。本研究では、国産生薬の供給を促進するため、センブリの水耕栽培の効率を検証しました。

研究の概要



水耕栽培と土耕栽培の比較



研究チームは、特に水耕栽培の条件下でも土耕栽培と同等な品質のセンブリを育てることが可能であることを実証しました。実験によれば、特に適切な養液条件を整えることで、センブリの生産性が向上しました。

水耕栽培したセンブリと土耕栽培品の比較

栽培期間の短縮



さらに、土耕栽培では2年かかる栽培周期を、約1年に短縮することに成功しました。播種から収穫までのプロセスを385日という新しい標準に引き下げ、効率的な生産が実現されました。

水耕栽培と土耕栽培の比較図

今後の展望



この研究の成果を基に、さらなる栽培期間の短縮や収穫量の増加を目指し、技術開発を継続します。国産生薬の生産技術向上は、日本の伝統的な医療文化の発展につながると考えられます。また、今回の研究により生薬の安定供給が可能となれば、未来の漢方薬市場にも大きな影響を与えることが期待されます。

受賞者情報



今回の発表には、三進金属工業の佐々木将太郎係長を始め、森川敏生教授(近畿大学薬学総合研究所)など、多くの優秀な研究者が携わっています。彼らの尽力により、この重要な研究が実現しました。

詳しい情報や他の研究成果については、和漢医薬学会の公式サイトをご覧ください。

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