わさび自動栽培技術の開発が始動
アグリテックベンチャーの株式会社NEXTAGEは、三菱ガス化学と提携し、海外市場向けの大規模わさび栽培技術を開発することになりました。このプロジェクトは、世界的に増加するわさびの需要に応えるためのもので、安定供給を実現することを目指しています。
大規模栽培技術開発の背景
NEXTAGEは、国内のわさび生産量の改善に向け、新規就農者の増加を促す「わさび栽培モジュール」の提供を行っています。しかし、代表の中村は、海外に出向いて現状を調査した結果、わさびの入手が難しいという声を多く聞くことになりました。そこで、国内での栽培だけでなく、より広い供給力を持つための大規模栽培の必要性を感じ、三菱ガス化学との共同研究に乗り出すことを決意しました。
三菱ガス化学も一昨年からの共同研究を通じて、わさびの植物工場栽培の課題意識を共有し、今回のプロジェクトに参加することとなりました。
海外市場の見通し
市場調査によると、わさびの年間需要は今後さらに拡大する見込みです。現在、世界中で約10,585トンのわさびが求められています。これに応じて、安定した供給体制が急務であると同社は強調しています。
試食会の様子
先日、アイルランドで開催した試食会では、ミシュラン星を獲得したシェフやわさび関連商品の製造企業の代表者を招待し、NEXTAGEが育てた本わさびを使った料理が提供されました。この試食会では、さまざまな料理におけるわさびの活用を提案し、参加者からは非常に高い評価を得ることができました。実際に85.7%の参加者が、わさびを料理に利用したいと回答したのです。
特に、あんこうのブールブラン・ソースなど、和食以外でのわさび利用にも新たな可能性を見出しました。試食を行ったスタッフも、これまでに味わったことのない新鮮な体験に驚きを隠せませんでした。
代表取締役のコメント
中村拓也代表は、「三菱ガス化学と共に海外向けの大規模栽培プロジェクトを開始できて非常に嬉しく思います。この市場には大きな潜在能力がある一方、実際に人々の手元にわさびを届けるための環境はまだ整っていません。創業以来、私たちは海外へのわさび供給を視野に入れ、栽培技術を磨いてきました。このプロジェクトを通じて、より多くの人々に品質の高いわさびを届けられると信じています」との意気込みを語りました。
株式会社NEXTAGEの概要
NEXTAGEは、東京都目黒区に本社を置く企業で、わさびの植物工場栽培や、植物栽培に関するソリューションを提供しています。今後、試験栽培を経て、全世界へ向けた日本の植物栽培技術を推進し続けるでしょう。文化や技術の継承と発展を目指し、日本のわさび文化を世界へ広めるその努力は、これからも続きます。
公式サイトやSNSでも情報発信を行っているので、興味のある方はぜひ訪れてみてください。