新生AERAの誕生
株式会社朝日新聞出版が、2025年4月から新たに「AERA編集部」を発足させることを発表しました。この編集部は、週刊誌「AERA」とニュースサイト「AERA dot.」の両方を統合したもので、デジタルメディアと印刷媒体の一体的な運営を目指しています。これにより、長年にわたり多くの読者に支持されてきた「AERA」の特集や毎日のニュースを、デジタルファーストのアプローチで提供することを狙っています。
新たに変更されるニュースサイトの名称は「AERA DIGITAL」。ロゴやウェブ画面は、「AERA」誌のデザインを踏襲し、視覚的にもブランドの統一感を強調します。この新しい試みは、デジタルメディアの活用によって、より広範な読者層にアプローチすることを目的としています(URLは現行のまま https://dot.asahi.com を使用)。
AERAの歴史と革新
「AERA」は、1988年に創刊された日本初の本格的なニュース週刊紙として知られ、近年では「働く女性」を中心としたさまざまな社会課題を取り上げてきました。また、中学・大学受験やマネーに関する実用情報にも力を注いでいます。一方、2017年からは「AERA dot.」が、より広範なニュースと情報を提供するサイトへと進化し、24年10月からは新しい無料会員制度「アエラドットメンバーズ」を開始する予定です。来年4月からはこの名称が「AERAメンバーズ」に改称されます。
新生「AERA」が提示するコンセプトは「あなたと『時代』をつなぐメディア」。ラテン語で「時代」を意味するこの名前には、Asahi Shimbun Extra Report and Analysisの頭文字も隠れています。この理念の下、信頼性の高い記事や興味深い連載コラム、読者が今必要としている独自の情報を、デジタルと紙、両面で有機的に展開することを目指しています。
デジタル最適化の推進
「AERA DIGITAL」では、紙媒体の美しいデザインをデジタルにも適応し、特にスマートフォンでの閲覧に特化したインフォグラフィックを導入します。これは、「タイパ」(タイムパフォーマンス)を重視した現代において、ニュースや社会問題を迅速に伝えるための重要な取り組みです。
また、読者は「AERAメンバーズ」に無料で登録することにより、会員限定のイベントや特別なコンテンツを体験できる仕組みが整えられています。これにより、読者とのインタラクションがさらに深まり、メディアとしての価値も向上するでしょう。
新体制のリーダーたち
新しい編集部を率いるのは、3人の女性リーダーです。デジタル版の編集長として鎌田倫子氏(前AERA dot.編集長)が、誌面の編集長には深澤友紀氏(前AERA副編集長)が就任します。また、ブランディングやビジネス開発を担当する木村恵子氏(前AERA編集長)がチームの一員に加わります。
鎌田とのインタビューでは、彼女が「紙の雑誌で築いてきた信頼性を基に、デジタルファーストの精神で多くの読者にインパクトのある記事を提供する」と語るなど、新生「AERA」に込められた期待がうかがえました。
期待が高まる新生AERA
デジタルと印刷の融合を図る新しいアプローチは、今後のメディア運営のスタンダードになる可能性を秘めています。「AERA」はこれまで以上に、多様な情報をいち早く届ける、革新的なメディアとして生まれ変わります。読者の期待に応えるため、今後の動向から目が離せません。