VARIETASが開発した新しいAI面接官「志望動機モデル」
株式会社VARIETAS(バリエタス)は、面接プロセスの革新を目的とした「AI面接官 志望動機モデル」の提供を開始しました。この新モデルは、面接中に候補者が語る志望動機をAIが解析し、志望度を多角的に可視化するものです。
開発の背景と課題
企業の採用現場では、候補者の志望動機を客観的に把握することが長年の悩みでした。従来の面接では、面接官の主観や経験に依存するため、評価の公平性や再現性を保つことが難しかったのです。また、一般的な評価基準に基づく志望動機の評価では、その基準自体が曖昧であり、企業毎に評価軸が異なるという問題を抱えていました。これに対抗するため、VARIETASは、志望動機を「熱意の有無」だけでなく、言葉の内容や発言意図、具体性、価値観との整合性を考慮したAIモデルを作り上げました。
志望動機の定量化に向けた壁
1. 表明と本音のギャップ
面接中に候補者が口にする言葉は、必ずしもその人の本心を反映しているわけではありません。現実には、他社への応募状況や内定条件が候補者の志望度に影響を与え、発言だけで真意を判断することが難しいのです。
2. 測定指標の不明確さ
「志望度」という概念そのものがあいまいであり、企業によって、その定義は異なります。この不統一な基準が、評価基準のばらつきの原因となるのです。たとえば、A社では「入社意欲の高さ」、B社では「入社確率」、C社では「志望動機の質」を重視するなど、まさに様々な評価軸が存在します。
3. 評価における主観性
面接官が「自社を好意的に語る=志望度が高い」と無意識に判断したり、「率直な疑問を投げかける=志望度が低い」と解釈することも少なくありません。このような心理的バイアスが、評価の客観性を損なっていたのです。
VARIETASのアプローチ
このような課題に対応するため、VARIETASはAIによる多層的評価を取り入れました。面接官の意見に左右されずに、候補者の志望動機を定量的に評価し、その背後にある考えや価値観を深く理解することができるのです。
期待される効果
新モデルの導入により、次のような効果が期待されます。
- - 面接官の志望度評価との一致率が向上
- - 候補者の内面的なモチベーションが適切に可視化
- - 選考プロセスの再現性と透明性が向上し、透明性確保が容易に
- - 面接官トレーニングや評価設計に応用可能
今後の展望
VARIETASは、「AI面接官」を活用して得られるデータをもとに、志望動機以外にも多面的な候補者のポテンシャル評価を可能にする技術の開発を進めていきます。AIによる採用プロセスの進化を通じて、候補者の個人の特性や価値観が正しく反映される社会の実現を目指しています。