若き才能が光る!第2回絹谷幸二芸術賞の受賞者発表
2024年2月12日、東京都台東区の日本芸術院にて、若手アーティストを対象とした「第2回絹谷幸二芸術賞」の授賞式が開催されました。この賞は、40歳以下の才能あふれる美術作家を表彰するもので、産経新聞社及びチャーム・ケア・コーポレーションが主催しています。
今年の大賞は川田知志さんが受賞し、奨励賞には弓指寛治さんが選ばれました。この賞は、日本の洋画界を代表する絵画作家であり、文化勲章受章者でもある絹谷幸二氏の「次代を担う新進アーティストを応援したい」という思いから設立されました。選考委員には絹谷氏のほか、国立国際美術館長の島敦彦氏、埼玉県立近代美術館長の建畠晢氏が名を連ね、全国から推薦された作家の中から選ばれました。
受賞者プロフィール
大賞 川田知志(かわた・さとし)
川田知志さんは1987年に大阪府で生まれました。京都市立芸術大学大学院を修了後、フレスコ技法を駆使して圧倒的なスケールの壁画を制作し続けています。特に、都市近郊の均質な風景を断片化し再構築する点において、彼の作品には独自の視点が光ります。現在、東京都現代美術館で開催中の「MOTアニュアル2024こうふくのしま」でも彼の作品が展示されています。川田さんは、作品を空間と不可分のものと捉え、「ストラッポ技法」により特定の空間の記憶を新たな場で呼び起こす試みを行っており、将来が非常に楽しみな作家です。
主な展覧会
- - 「川田知志:築土構木」(2024年、京都市京セラ美術館)
- - 「MOTアニュアル2024こうふくのしま」(2024年)
奨励賞 弓指寛治(ゆみさし・かんじ)
弓指寛治さんは1986年、三重県で生まれました。名古屋学芸大学大学院を卒業後、映像制作会社を設立しましたが、母の自死を経験したことが彼のアートに大きな影響を与えました。それ以降、死者への鎮魂や社会・歴史のタブーに焦点を当てた作品を多く発表しており、その強烈な表現は多くの観客の心を捉えています。特に自死というテーマに関しては、著名人や歴史的な出来事も取り上げており、見る人に深い感情的な反応を引き起こします。
主な展覧会
- - 「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?ー国立西洋美術館65年目の自問ー」(2024年)
授賞式の内容
授賞式では、大賞を受賞した川田さんには100万円の賞金とともに、海外研修のための渡航費が支給され、奨励賞の弓指さんには50万円の賞金と副賞として画材が贈られました。参加者たちは二人の若手アーティストの今後の活躍を期待し、熱気に包まれた授賞式となりました。
「第2回絹谷幸二芸術賞」は、新しい才能を発掘し、支援する重要な取り組みです。川田知志さんと弓指寛治さんの今後の活躍をぜひ注目していきたいと思います。詳細は
公式ホームページでも確認できます。