理系学生の就活事情:早期化と売り手市場の現状を探る
理系学生の就職活動について、株式会社カンビアが提供する就活サイト『リケイマッチ』が実施した調査結果が興味深い。2026年度卒業見込みの161名の理系学生を対象に行われたこの調査では、就活の開始時期や内々定の状況など、多くのデータが集められた。ここでは、その結果を詳しく見ていこう。
調査対象について
調査対象は、2026年度卒業予定の理系学生であり、アンケートは2025年6月2日から6月4日までの期間にWEB形式で実施された。全161名の回答者のうち、96.3%が理系学部生という結果で、情報系が32.9%、機械系が18%、電気電子系が14.3%と、さまざまな専攻の学生が含まれている。
就活の開始時期
調査結果によると、就活を始めた時期は多様で、32.9%の学生が「2024年3月以前」にスタートしたことがわかる。全体の67.1%は2024年4月以降に就活を開始しており、この結果は近年の就活早期化の流れを反映したものと考えられる。
内々定の獲得状況
内々定を獲得した学生は71.4%に達し、その内訳では78名(48.4%)が「内々定を獲得したが、就活を継続中」と回答している。これは、学生が内々定を得ながらも、他の選択肢を探し続けていることを示しており、近年の売り手市場を反映している。
理系学生が就活する理由
理系学生が学部卒業後に就活をする主な理由は「やりたいことが学部卒でもできる」が33.5%で最も多く、「早く社会に出たい」が29.8%、「研究したいテーマがない」が11.2%と続いた。この結果から、理系学生は自身の専門性を活かしながらも、より実践的な経験を求めていることが伺える。
興味のある職業
理系学生が最も関心を寄せている職業は、「技術職(設計・生産技術など)」が44.1%、次いで「ITエンジニア」が38.5%。これもやはり、新たな技術への関心や自身の技術を駆使できるトピックに興味が集まっていることを示している。
内定承諾の決め手
内定承諾における決め手について、学生が挙げた理由の中には「入社後に成長できる環境」「エンジニアとしての働きやすさ」「各選考で出会った人の良さ」などが含まれており、単に内定を得るだけでなく、自身の成長に寄与する要素を重視する姿勢が見受けられる。
スカウト型就活サイト『リケイマッチ』とは
『リケイマッチ』は、理系学部生に特化したスカウト型の就活サイトで、個別の求人に対して直接スカウトを受けることができるため、学生にとっては効率的な就職活動の手段となっている。生成AIによるガクチカ作成や面接診断のサービスも整備されており、学生のニーズに応える体制が整っている。
まとめ
今回の調査結果から、理系学生の就活動向はますます早期化し売り手市場の影響を受けていることが確認できた。今後の就職活動においても、この流れは続くと予想され、理系学生たちは自らの選択肢を広げるために活動を続けていくであろう。