JSPOによる2024年度のスポーツハラスメント相談件数が過去最多
公益財団法人日本スポーツ協会(JSPO)は、2024年度に「スポーツにおける暴力行為等相談窓口」に寄せられたスポーツ・ハラスメント(スポハラ)に関する相談件数が536件に達し、過去最多を更新したことを発表しました。JSPOは、2013年からこの相談窓口を設置し、スポーツ現場における不適切行為への相談に応じてきました。
相談件数の内訳を見ると、大人向け窓口で475件、子ども向け窓口で61件という数字が示されており、年々増加傾向にあります。これは「NO!スポハラ」活動の影響や、相談窓口の認知度向上に起因すると考えられます。特に、相談しやすい環境が整ってきたことが、相談件数の増加に寄与しているようです。
増加する暴言と子どもたちの被害
相談内容の大部分は「暴言」に関するものであり、2024年度はその割合が41%を占めています。具体的には、指導者による選手への差別的な言動や、強制退団を促すケースも報告されています。驚くべきことに、被害者の約8割が高校生以下で、特に小学生が約5割を占めるというデータが示しています。これは、指導者からの不適切な行為に対し、子どもたちが声をあげにくい状況にあることが大きな要因です。
2022年に設けられた未成年向けの相談窓口に関しても、2024年度には61件の相談が寄せられており、これは2023年度の46件から約1.3倍の増加となりました。子どもたちが安心して相談できる環境を整えることは、今後のスポーツ界において重要な課題となっています。
JSPOの取り組みについて
JSPOでは、スポーツにおける暴力・ハラスメントの根絶に向けて、今後も努力を続けて報告書を発行したり、情報誌「Sport Japan」や各種指導者研修を通して、コーチングやコミュニケーション能力の向上を目指しています。また、実際に相談を受けた実績を基に、教育と啓発活動を強化することで、より良い環境づくりを推進していく考えです。
参加者への呼びかけ
スポーツに関わるすべての人々に向けて、JSPOは引き続き「NO!スポハラ」の意識を高め、相談窓口への利用を促す活動を展開しています。相談窓口は、安心して自分の声を届けるための第一歩です。暴力やハラスメントは決して許されるべきではなく、すべての人が安心してスポーツを楽しむために、適切なサポートが重要です。
JSPOの活動に関する詳細や相談窓口の情報は公式ウェブサイトにて提供されています。ぜひ訪れて、最新情報をキャッチしてください。
このように、スポーツ現場における暴力の根絶に向けて、来年度以降の取り組みにも高い関心が寄せられています。今後どのように改善が進むのか、注目が集まります。