Rikkeisoftと住友商事が資本提携を実現
2024年11月28日、ベトナムのIT企業Rikkeisoft Corporation(以下、Rikkeisoft)は日本の住友商事株式会社(以下、住友商事)との資本業務提携を発表しました。この提携により、Rikkeisoftは住友商事の関連会社となり、双方の協力を通じて日本及び国際市場での成長をさらに加速させる狙いがあります。
提携の背景と意義
2023年は日越国交樹立50周年の節目となり、両国の結びつきは強化されています。特にIT産業では、日本企業向けのソフトウェア開発アウトソーシングの需要が急増しており、予想市場規模は年間300億米ドルを超えるとされています。Rikkeisoftは設立12年のなかで、ベトナムのICT企業上位に位置するまで成長し、日本市場でも安定した地位を築いてきました。
住友商事は、これまでベトナムで小売や製造、インフラ分野で幅広い投資を行ってきましたが、IT開発企業への出資は今回が初めてです。この提携によって、住友商事の広範なネットワークとRikkeisoftの技術を融合させ、日越両国を含むグローバル市場でのプレゼンスをさらに強化します。
提携による具体的な目標
Rikkeisoftはこの提携を通じて、以下の目標を設定しています。
1. 市場シェアの拡大
住友商事のネットワークを活用し、特に日本、米国、アジア市場におけるIT開発ソリューションの提供を加速していきます。住友商事グループ企業との共同開発にも注力し、新たな業務受注の機会を見出す計画です。
2. 品質と提案力の向上
住友商事の豊富な事業運営ノウハウを活かして、一貫したサービス提供が可能な体制を整えます。特に、業界特化型のソリューションを提供することで顧客に対する価値を更に拡大します。
3. ガバナンスの強化
グローバルスタンダードに沿ったガバナンスとマネジメント手法を導入し、将来的な株式公開(IPO)に向けた準備を進めます。
双方の代表者からのコメント
リッケイソフトのタ・ソン・トゥン代表取締役会長は、「今回の資本提携は、当社にとって成長の大きな機会です。住友商事のネットワークを通じて、私たちのITソリューションをより多くの企業に提供し、市場拡大に繋がると期待しています」と述べています。日本とベトナムのIT協力を強化し、デジタルトランスフォーメーションを推し進める意義も強調されました。
一方、住友商事の荒牧俊一理事は、「リッケイソフトの顧客重視の経営姿勢やアジャイルな開発体制は、我々の顧客ニーズと非常に高い親和性があります。両社の強みを生かしたシナジーを創出し、共同で成長していくことを目指します」とコメントしました。
企業紹介
Rikkeisoftは2012年に設立され、ベトナムの主要なITアウトソーシング企業の一つです。AI開発やクラウド、モバイルアプリ開発など幅広いITサービスを提供し、2200人以上のIT人材を活用して様々な案件に対応しています。日本企業向けに高品質かつコストパフォーマンスに優れたサービスを展開し、顧客満足度97%を達成しています。
住友商事は、世界128の拠点を持ち、約900社で構成される総合商社です。鉄鋼からデジタルメディア、エネルギーに至るまで多岐にわたるビジネスを展開し、「Enriching lives and the world」を企業のメッセージに掲げ、社会に貢献する努力を続けています。
資本提携によって、両社の今後の展開に注目が集まります。