ミズノとカネカの「生分解性人工芝シリーズ」とは?
ミズノと株式会社カネカは、持続可能なスポーツ環境を目指し、世界初の海洋生分解性を持つ人工芝とその充填材を共同で開発しました。この新しい「生分解性人工芝シリーズ」は、2025年の発売予定で、多くのスポーツ施設での利用が期待されています。
環境に優しい技術の重要性
近年、プラスチックに由来するマイクロプラスチックの問題が深刻化しています。世界各国でプラスチック使用の規制や代替素材の開発が進められている中、人工芝やその充填材が石油由来の樹脂で作られていることが環境負荷を軽減できない一因となっています。ミズノとカネカは、この問題に対抗するために、新しい素材の開発に乗り出しました。
生分解性バイオポリマーとは
新しい人工芝では、カネカが開発した「Green Planet」と呼ばれる生分解性バイオポリマーを使用しています。この素材は95%以上がバイオマス由来で、従来の材料に比べて石油の使用量を大幅に削減します。さらに、意図しない流出があった場合でも、海中で水と二酸化炭素に分解されるため、マイクロプラスチックの問題を軽減することが可能です。
様々な特長
「生分解性人工芝シリーズ」は、ロングパイルの屋内型人工芝で、製造プロセスが日本国内で完結しています。また、特別な樹脂配合と製造条件によって、一般的な人工芝と近い品質を実現しました。これにより、スポーツ活動に必要な性能を保持しつつ、環境に配慮した素材を提供しています。充填材も同様に、クッション性を持たせる設計が施されています。
持続可能な社会に向けた取り組み
ミズノは1991年より環境保全活動に取り組み、「2050年ネットゼロ」を目指しています。今までにも茶殻リサイクルを利用した充填材など、環境に配慮した製品を開発してきました。この新しいプロジェクトもその一環として、次世代に健全な地球環境を残すために貢献することを目指しています。
一方、カネカも「カガクでネガイをカナえる」という理念のもと、環境、食糧、健康の課題解決に注力しています。新しいバイオポリマーを基にした商品開発を続け、社会に貢献していく姿勢です。
将来的な計画
今後、開発された「生分解性人工芝シリーズ」を全国のスポーツ学校や商業施設に導入する計画が進められています。また、さらなる発展として、屋外型の海洋生分解性人工芝も開発中です。これにより、より多くのスポーツ施設で環境に優しい製品の利用が促進されることを期待しています。
お問い合わせ
ミズノの公式サイトでは、製品の詳細に関する情報を提供していますが、何か質問がある場合はミズノお客様相談センターに連絡することがすすめられています。
この持続可能な素材の導入によって、スポーツフィールドの衛生環境やそれに付随する自然環境が守られ、健康的な社会の構築に繋がることが期待されています。そして、私たち消費者もこの新しい試みに注目し、意識を持って選択をすることが求められています。