デジタルエコノミーの進展に伴い、ECサイトでの非正規商品の販売が増加しており、これに対処するためにアディッシュ株式会社は2024年9月19日から「模倣品・海賊版商品 パトロールサービス」を提供始めます。この新サービスは、キャラクターの権利を持つ企業を対象に、ECサイト上の模倣品や海賊版の商品を監視し、その情報を報告することで企業の知的財産権を守ることを目的としています。
最近の報告によれば、日本のコンテンツ市場は2021年に12.9兆円に達し、その中でもゲームやアニメ関連の売上が大きな割合を占めています。しかし、コンテンツ市場活性化の裏で、権利侵害の問題が深刻化しています。特に非公式に販売される商品や無断使用されたキャラクターが、フリマサイトや動画配信プラットフォーム、さらにはメタバース内で流通することで、企業のブランド価値や信頼が損なわれる懸念が高まっています。
アディッシュの提供する「模倣品・海賊版商品 パトロールサービス」は、こうした権利侵害への対策を強化するための一手です。サービスはまず、権利を有する企業からヒアリングを行い、具体的な監視手法を設計します。企業のキャラクターに基づいて調査を行い、販売される可能性のある非正規品を特定することに重点を置いています。
監視は平日9時から18時まで行われ、各ECサイトでの新着商品を定期的にチェックし、権利侵害の疑いがもたれる商品を企業に報告します。これにより、企業は迅速に対応策を練り直し、必要に応じて適切なプラットフォームへ削除依頼を行うことが可能になります。
実際にアディッシュが行った調査では、キャラクターAとキャラクターBについての非正規商品の販売比率や傾向が明らかになりました。例えば、子供向けキャラクターAの商品では、無断で他社商品にキャラクターのシールを貼り販売しているケースが確認され、一方でゲームキャラクターBでは正規品の転売が多数を占める結果となりました。特にECサイトFでは、ゲームキャラクターBの商品がほとんど非公式なものであるというデータも出ています。
アディッシュは、SNS監視やソーシャルリスニングの分野で17年の経験を持ち、今回のパトロールサービスでもそのノウハウを活用していきます。加えて、アディッシュのリスク対策サービス「MONI」は、企業が直面するソーシャルリスクを管理し、風評被害を最小限に抑えるための総合的な支援を行っています。
アディッシュは、今後もコンテンツ産業の発展を支えるため、権利保護の強化を図り、企業が安心してビジネスを展開できる環境作りを推進していく考えです。企業が自らの知的財産権を守るためには、今後ますますこうしたサービスの重要性が高まるでしょう。アディッシュの取り組みが、より多くの企業に安心感をもたらし、健全なコンテンツ市場の形成に寄与することを期待しています。