中高生が描く、男子に知ってほしい生理のリアルな一冊の誕生

2025年1月30日、株式会社Gakkenが新たに出版した図書館向け書籍『女子中高生が教える男子にも知ってほしい生理の話』が話題を呼んでいます。この本は、品川女子学院の有志団体「CLAIR.（クレア）」の協力を得て制作されたもので、女子中高生たちが抱える生理に関する悩みや疑問を、男子にもわかりやすく伝えるための一冊です。

学校から社会を変える、CLAIR.の活動

生理については多くの女性が悩みを抱えつつも、なかなか他人に話せないデリケートなテーマです。経済産業省の発表によると、女性の健康問題から生じる年間経済損失は約3.4兆円にも及ぶことが明らかになっています。この問題は私たちが社会全体で向き合わなければならない重要な課題です。

小中高と進むにつれ、男子生徒たちも生理についての正しい認識を持つことが求められています。そこで、CLAIR.に参加する中高生たちは、男子校や共学校を訪れ、講義やワークショップを通じて生理についての正しい知識を伝え、互いに思いやりを持つ重要性を伝えています。

本書の特長

本書は、生理に対する理解を深めるために考案された内容になっています。特に以下の3つの特長が挙げられます。

1. マンガを用いた実感の伝達

本書の中では、中学生男子を主人公にしたマンガが展開されており、彼が生理について考える様子が描かれています。これにより、読者は男子でも共感しやすくなり、「自分も同じような経験をしたかもしれない」と感じることができます。

2. アンケートに基づくリアルな声

100人以上の男女を対象に実施したアンケート結果を基に、生理に関するさまざまな疑問に対し解説がなされています。「生理痛はどんな痛みなのか？」「生理中に必要な配慮は？」「困ったときどう対処すればよいか？」といった具体的な質問に答えることで、互いの感じ方や考え方の違いを知る手助けをしています。

3. 生理についての知識を広める紙面

本書は、生理に関する知識が少ない男性に向けた内容であり、また女性同士にも気づけない違いに触れているため、全ての読者が理解できるものとなっています。生理に関するタブーを取り除き、オープンに話すことで、社会全体で理解を深めるきっかけとなるでしょう。

CLAIR.のメッセージ

本書について、CLAIR.のメンバーは「生理に限らず、理解されずに苦しむ人は多いです。誰か一人が『理解しよう、寄り添おう』と思うことで、救われる人が必ずいるはずです。この本を通じて、より良い社会を共に創っていきたい」と述べています。生理についての理解は、社会全体の意識を変える第一歩となることでしょう。