デリケート部位洗浄剤の安全性評価に新たな進展をもたらす研究

ロート製薬株式会社は、デリケート部位専用の洗浄剤に関する安全性評価を進めるため、動物実験の代替法を活用した革新性あるアプローチを展開しています。これは、同社が掲げる「Connect for Well-being」という経営ビジョンの一環として行われており、エンドユーザーの健康と快適さを向上させることを目的としています。

研究内容の概要

最近の研究では、デリケート部位専用の洗浄剤に関する独自の安全性評価プロセスが確立されました。具体的には、三次元培養ヒト膣粘膜上皮モデルを使用し、自社開発の洗浄剤の刺激性を厳密に評価しました。これにより、デリケート部位の安全性が実際に確認され、今後の製品開発に大きな影響を与える可能性があります。これらの研究内容は、日本動物実験代替法学会の第38回大会でも発表されました。

研究成果の意義

この研究は、デリケート部位における製品の安全性評価の基準を確立するための重要なステップです。特に、これまで確立されていなかったin vitro評価法を用いることで、実際の製品開発に貢献しています。具体的には、三次元培養ヒト膣粘膜上皮モデルを活用し、デリケート部位専用洗浄剤がどれほど安全であるかを予測する新たな手法が導入されました。この評価法によって、今後のフェムケア製品の安全性評価基準のガイドライン化が期待されています。

研究の背景と課題

近年、デリケート部位に関連する悩み・問題がクローズアップされ、フェムケア製品への需要が急速に高まっています。特に、デリケート部位は皮膚が薄く、バリア機能も弱いため、刺激リスクが非常に高いと言われています。こうした中、従来の皮膚用製品以上に慎重な安全性設計が求められていますが、デリケート部位向けのin vitro評価法が標準化されていないため、製品開発の際に直面する課題の一つとなっていました。

研究の結果

本研究では、ロート製薬が開発したデリケート部位専用洗浄剤および敏感肌用の洗浄剤を対象に、安全性評価を行いました。三次元培養ヒト膣粘膜上皮モデルによる結果では、デリケート部位専用洗浄剤の細胞生存率が94.8% と高く、刺激性が低いことが確認されました。さらに28日間にわたるヒト実使用試験でも、「ほぼ安全である」と評価されました。