Nordic Semiconductorが新型バッテリーIC「nPM1304」を発表
低消費電力ワイヤレス接続ソリューションのリーダーであるNordic Semiconductor(ノルディックセミコンダクター)は、2025年7月に新しく開発されたパワーマネジメントIC(PMIC)「nPM1304」の製品受注と評価キットの提供を開始したと発表しました。この製品は、これまでの受賞歴のある「nPM1300 PMIC」をさらに進化させ、小型充電式バッテリーを利用するさまざまな製品に最適です。
nPM1304 PMICの特長
新型のnPM1304 PMICは、特にスマートリングやボディセンサー、スタイラスペンなど、サイズが小さなデバイス向けに開発されました。最大4系統の電源レールを備えたこのICには、2つの高効率降圧コンバータと、負荷スイッチとしても利用できる2つのLDOが組み込まれています。これにより、独立して制御できる4つの電源を提供し、高い柔軟性を持ちます。
このnPM1304 PMICは、クーロンカウンタに匹敵する高精度の燃料計測機能も特長としています。消費電流は動作時で8µA以下、待機時は実質ゼロという超低消費電力を実現。370nAのシップモードを搭載しており、長期の保管が可能で、充電やボタン操作、電極の接続解除による復帰も行えます。さらに、外部ウォッチドッグ機能も搭載しており、ホストが応答しない場合に充電を停止し、システム全体をリセットできます。
先進のシステム管理機能
nPM1304 PMICは基本の電源管理機能に加え、ハードリセット機能や起動失敗時のリカバリ機能、電源障害警告などの高度なシステム管理機能を持っています。これにより、エンドユーザー体験の向上を実現し、製品の信頼性を強化します。
Nordicのワイヤレスソリューションとの統合
NordicのnPMファミリーPMICは、高い統合性を持っており、これによりシステムの複雑性や部品表、基板スペースの削減が可能となります。nPM1304を使用することで、最小サイズのワイヤレスIoT製品においてもバッテリー性能とシステム効率の最適化を図ることができます。特に、nRF52、nRF53、次世代のnRF54シリーズのSoCと組み合わせることで、ウェアラブル機器やスマートホーム機器、産業用センサーなどに必要な高効率な電源管理を行います。
次世代アプリケーションに向けた設計
このnPM1304は、スマートリングやスタイラスペン、スポーツトラッカー、ヘルスケアモニタリング機器など、小型充電式バッテリーを搭載するさまざまな製品への対応が可能です。Nordicの超低消費電力ワイヤレスSoCおよびその他MCU向けにパワー供給を行うことで、最高の効率と小型化を実現しています。
提供開始とパッケージ
現在、nPM1304の評価キットがNordicの正規販売代理店を通じて注文可能です。WLCSPやQFNパッケージのサンプル出荷も開始されており、量産は2025年10月に予定されています。
Nordic Semiconductor ASAについて
Nordic Semiconductorは、1983年に設立されたノルウェーのファブレス半導体企業で、モノのインターネット(IoT)のためのワイヤレス通信技術を専門としています。Bluetooth Low Energyソリューションの提供で知られ、超低消費電力無線テクノロジーのリーディングプロバイダーとして、世界中に1,400人以上の社員を抱え、顧客にさまざまなアプリケーション用の革新的なソリューションを提供しています。